『弱虫のツバサ』-3
『僕は……弱虫だ……。いつも黙ってるし……、いつも人の言いなり……だよ?…自分の意見も言えないし……ずっと……僕は一人だって……。』
そこまで言って僕はさらに大きく声を上げて泣いた。今まで溜め込んでいた気持ちが溢れ出すように。
琴美さんは黙っていてくれる。それがうれしかった。
『翼君は………。』
彼女の優しい声が耳につたわる。
『幸せになれるよ?翼君が思った通りの、自分のしたいことが出来るようになるよ?
鳥だって自由じゃん。鳥は高いところまで行ける。
翼君も自由にどこまでもいけるよ?』
『弱虫だけど………僕にはしょぼくれた…翼しかないけど……飛べるかな…?』
『当たり前!!』
彼女に救われたんだ。彼女が僕を飛ばせてくれたんだ。
……弱虫の翼だけど、これからは強く、強く飛んでいこう……。