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『弱虫のツバサ』
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『弱虫のツバサ』-1

『はあ………。』

今僕は学校への道を歩いている。僕と同じ、生徒達はみんな明るく元気いっぱいって感じだ。
けれど僕はそんな気分になれるはずがない。なぜかって?

僕はいじめられてるから。

『……あー……またかよ…。』

何回上履きを隠されただろうか?空になっている自分の下駄箱を見つめながら僕は思った。

『………また借りる…か……。』

僕は上履きを借りる為職員室へと向かった。毎回、どんな理由にするかを考えるのも一苦労だ。
そういえばなんで僕はいじめられているんだろう?
普通にこの中学校に入学し、普通に生活しているつもりだった。
確かに内気だけど……。そうゆう黙って静かなタイプはいじめの標的なんだろうな。
今日も一日耐えなきゃ。


『おはよー翼君!あれ?なんでまた…。先生から借りたの上履き〜??』

『うん。そだよ。』

笑う男子共。それに乗じて僕に軽蔑の眼差しを向ける女子共。ダメだよ。耐えるんだ翼。
僕は自分の机へと向かった。一番後ろの窓側の席。席がここでよかった……ここなら授業中でも変な事をされないだろう。

『おはよう!琴美!』

一人の女子が今教室に入ってきた女子にあいさつをした。
琴美……さんか…。あの人も共犯者だよな。このクラスに僕を味方してくれる奴なんていない。

『あ………。』

琴美さんと目があった。けど普通なら思わず声なんて出さないだろう。彼女の目が少し違ったからだ。
軽蔑………?少し違っていた…。
哀れみ?多分それが一番近い。


『授業始めるぞー。』

一時間目は理科だったっけな。あの先生は僕がいじめられている事を知っているんだろうか?知らないだろうな……。





午前の授業が全て終わり、弁当を一人で食べ終えた僕はこの昼休みの時間に校庭の隅の木の下にいた。
木陰の中でぼんやりとしてる僕は校庭でサッカーやらドッジボールをしてる生徒達を見ていた。
毎日、僕はこの時間こうしている。
教室にいてもいじめられるだけ。

ここなら誰も気にしないだろうし、誰もいじめないだろう。


『ねぇ。』

突然かけられた声に僕は驚いた。そこには琴美さんがいた。


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