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『弱虫のツバサ』
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『弱虫のツバサ』-2

『…………なに?』

『ちょっと話したいんだけど。』

この女は何を考えているんだろう?なんで僕に……。

『……あいつら許せないよね。』

『え?』

『弱い者いじめっていうかさ……いい年してこんな事しててさ…馬鹿みたいだよね。それに便乗してる女子もそう。そんなにストレス溜まってるの?みたいな……。』

『なんだよ。』

なんだよお前。

『………?』

『だからなんだよ!!何しにきたんだよ!!そんな事言うために来たのか!?』
『ち、違っ!。』

『………おまえもだ……。』

『…え?』

『お前もあいつらと一緒なんだよ!!僕はお前も許せない!!なんだよこれ……罰ゲームなの??また後であいつらと一緒に笑う…。』

『やめてっ!』

彼女の声に喋るのやめた僕が見たのは、泣き顔の琴美さんだった。

『違うの…。話を聞いて………。』

『う、うん……。』

女子の泣いた顔なんて小学校以来見てない気がする。その間少し時間が流れた。琴美さんはまだ少し鼻をすすってたが大分落ち着いたみたいだった。

『ごめんね。……言い方が悪かった…。私は…翼君の力になりたいの。確かに私はあいつらと同じ共犯者かもしれない…。けれど翼君が必死…。』

『それは同情なの…?』

話してる途中で僕が聞いた。なんだよこの気持ち。
彼女は何を考えているんだろう?

『同情も……少しあるよ。…ねぇ翼君。友達にならない?』

僕は頭がおかしくなりそうだった。クラスでいじめられてる僕と?友達?

なんだよそれ。

『………僕といたら…いじめられるよ…。』

『一緒に戦えばいいよ。』
『よくないっ!!僕のせいでそんな……。』

『……なんで今…翼君は泣いてるの?』

彼女に言われて気付いた。なんだよこの気持ち。目から零れ落ちる涙は地面を濡らしていた。……気持ちがぐちゃぐちゃだ。


『僕は………。』

少しづつ口を開く。


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