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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜A
-40

「恩に着るぞ。」
デェルフェムートは王座から立ち上がり一礼をした。
「そうだ国王。」
フォルツが何かを思い出したようだ。
「あ?」
「神竜は絶大な力を持っていたはずなのになんで竜人を創ったんすか?さっき順を追って説明するとか言ってたのに結局すっ飛ばしてるじゃないすか。」
「あ、忘れてた。悪い悪い。」
デェルフェムートは頭を掻きながら笑ってごまかした。
(・・・大丈夫か?この国王は)
「神竜が何故絶大な力を削ってまで竜人を創りだしたのか。
それはある一人の人物の存在だった。」
「ある人?」
「その人物は神竜の力を封じる力を持っていたんだ。」
「神竜の・・・力を。」
「ああ、そして神竜はその人物を恐れて、そいつを近づけさせないために力を削ってまで竜人を創ったんだ。
結局その人物が神竜の力を封印して、最終的には倒すことができたんだがな。」
「ならそいつも英雄じゃないか!なんでその話は知れ渡っていないんだろ?」
「さあな、だが真の史実にはそれがしっかりと記されていた。
さ、今日はとりあえず話はここまでだ。お前達も疲れたろ。部屋を用意してある。今日はゆっくり休め。
これから忙しくなるぞ!
ヴェイル案内してやれ。」
「うぃーす!」

ヴェイルに連れられアルス達は王座の間を後にした。


「全てをお話にはならなかったのですね。」
王座の間に二人、ヴェザードがデェルフェムートに語りかける。
「今は・・・まだな」
デェルフェムートは疲れた様子で深く息を吐いた。
「漆黒の竜人、奴は生かしておいては危険です!ジェラルドに、いや世界に危険が及ぶかもしれません!
奴は私が!!」
ヴェザードは殺気をみなぎらせる。
「ダメだ!」
「しかし閣下!」
「ヴェザード!!」
「!!」
「フォルツはもう俺達の仲間だ。
もし自らの目的のために仲間を平気で殺すというのなら、そいつはもう魔物と変わらねえ。
俺はせめて人間として戦いてえ!」
「・・・・・承知しました。」


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