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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜A
-2

翌日の朝。

アルスとフォルツが宿屋の外に出ると道ぞいに人が集まってざわめいていた。
二人がざわめきの中心に行ってみると道の真ん中に堂々と寝ている男がいた。
「やーね、なにあれ?」
「行き倒れか?」
「死んでんじゃないの?」
村民達が噂をたてる。
男は青年で、黒い胴当てに額当て、赤い腰布を付け、左の肩にだけ肩当て、右の耳にはピアスとかなり個性的な恰好をしており、腰には二本の剣をさしていた。
アルスとフォルツがその男に近づく。
「おいあんた生きてるか?」
アルスが声を掛けるとその男は目をうっすらと開け、また閉じた。
「おいって」
フォルツが男の肩をゆらす。
すると
「なんだよ?気持ちよく寝てたのによ」
と言いながら目を開けた。
「なんでこんな所で寝てるんだよ!?」
フォルツが尋ねるとその男は辺りを見回した。
「げっ!!」
そして村民に自分が注目されているのに気付いてて飛び起きる。
「まーたこんな所で寝ちまったか。あっはっはっは」
男は笑い始めた。
その男が元気そうなのでアルスとフォルツは立ち去ろうとする。
「ちょっと待ってくれって」
すると男に肩を掴まれ止められた。
「あんな恥かいて、一人にされたら切ないだろ?」
「知るか!そんなのあんな所で寝てたあんたが悪いんだろ!!」
アルスは男の手を振り払う。
「ちょっと待てって、お前等見た所旅人だろ?俺もそうなんだ」
男は立ち去ろうとするアルスとフォルツを焦った様子で止める。
「何なんだあんたは?」
「俺か?俺はヴェイル。世界の遺跡や建物を調査しながら回ってるんだ。」
「んなこと聞いてねえよ
なんで俺達に付きまとうんだよ?ってこと!」
フォルツも肩の手を振り払う。
「てめえ、付きまとうって初対面からものの一分くらいしか経ってねえじゃねえか、軽く傷つくぞ!」
ヴェイルは両手両膝を地面に付きがっくりとして言った。
「だーかーらー俺達は忙しいの!あんたと構ってる暇は無いの。わかった?」
アルスとフォルツはそのばから立ち去り再び宿屋に向かおうとした。
「お前等ルーンの塞に向かうんだろ?」
ヴェイルのその言葉を聞いてアルスとフォルツの表情が変わる。
そして振り返る。
するとヴェイルの姿は無かった。そして
「俺もあそこに用があるんだ。」
という声が背後から聞こえた。
二人が更に振り返るとそこにヴェイルの姿。
(は、速い!)
アルスとフォルツは一瞬でヴェイルがただ者ではないことを理解する。
アルスは黙って剣を抜きヴェイルに向けた。
「お前、まさか黄泉羽か?」
アルスはただ者ではないと感じたヴェイルを黄泉羽だと疑う。
それを見てフォルツも杖を向ける。
「なんで俺が黄泉羽なんだよ!」
ヴェイルが焦った様子で弁解した。しかしアルスとフォルツは剣と杖を向けたまま睨む。
そのただならぬ状況を見ていた村人達がざわめき始めた。


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