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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜A
-13

「待てレーヴェス、お前に一つ伝えなきゃならないことがある」
ヴェイルは真剣な表情になった。
そしてヴェイルは何やらレーヴェスに耳打ちをした。
「馬鹿な!!そんなことが!?」
レーヴェスは驚愕した。
「やはりお前も知らなかったのか。だが間違いない。」
「ああ、あんたが言うんだ。恐らく間違い無いだろう。」
レーヴェスも真剣な表情で言った。
「わかった。俺はしばらくそのことについて調べようと思う。
そして俺はいずれあんたの力になる。
それならロイドさんも今までの俺を許してくれるかな」
「もちろんだ!」

そしてレーヴェスは去っていった》

「あの時なんの話をしていたんだ?」
アルスはヴェイルがレーヴェスに耳打ちした内容が気になっていた。
「プ・ラ・イ・べ・エ・ト
だよ」
ヴェイルが裏声で言った。
「気持ち悪い!」
アルスはそれ以上は特に聞かなかった。

「あ、怪我。」
ルナがレーヴェスに貫かれたヴェイルの腹部の傷に気付いた。

「じっとしてて下さい」ルナはヴェイルの腹部に手をかざす。
「キュアレイン!!」
ルナは回復の上位呪文を唱えた。
そしてヴェイルの傷はみるみる内に塞がっていった。
「お、うおー!すっげー」
ヴェイルはルナの回復呪文の上手さに驚く。
「ルナにはこれがあるんだ。戦闘でヘマしてもすぐにチャラになる」
アルスの言葉でルナの表情が柔らかくなった。

「そういえばどうやってルナを取り戻したんだ?」
アルスはフォルツに尋ねた。
「いや、アシェルのやつが普通に油断してたから呪文を叩き込んだら、傷を負って逃げてった。
そしたら二階の部屋にルナが縛られててさ、正に棚からボタ餅!!」
「なんだそりゃ?」
フォルツは嘘を付いた。そしてルナもそれを黙っていた。

アルスは黄泉羽がルナを手に入れたのに、わざわざ自分達を呼び寄せ、フォルツを呼び込んだことが疑問だったがこの時はそれ以上は深く聞かなかった。そして考えなかった。


先ほどの部屋の片隅
「これだけお膳立てして、たったあれだけでよかったんですか?しかも
"封印の神子"(ふういんのみこ)まで手放して」
アシェルは不思議そうにアレスターに尋ねる。
「今はこれでいい・・・・・これで。
焦る必要は無い」


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