蜘蛛〜Spider〜
蜘蛛の巣(中編)-2
残された原田は、まったくといった顔をしながら、その背中を見ていた。
松下はいいんですか?という顔をしていたが、原田にいつものことさ、といわんばかりに肩を叩いた。
松下は、一瞬にしてこの事件の糸口を見つけた、雲形に驚き、原田がいっていた運がいいの意味が理解できた。
「とりあえず松下、お前は被害者の人間関係を調べといてくれないか?俺は現場で応援がくるまで誰も近づかぬよう見張ってるから。」
原田の言葉に「はい」と頷き、松下は被害者の人間関係を調べるべく現場を後にした。
そして現場を後にしながら、少ししか知ることができなかった、彼を自分の中で想像していた。