きっと、そうー保健室-2
「どうした?」
10メートル程離れたところから悠哉が問い掛けている。
「ううん、なんでもない。」
笑えてただろうか?
きちんと。悲しそうには見えなかっただろうか?
最近そんなことばかりを考える。
悩んでばかりで夜も寝れていない。
ゆっくりと歩きだしながらまた悩む・・・・・足元がふらついてきた。
照りつける太陽。
準備はあともうちょっと。頑張ろうと足を踏み出すが・・・・・視界がおかしくなってくる。
意識が朦朧とする。
『癒芽!!』
最後に聞いた音は、慌てた様子の悠哉の声とカランカランと転がっていく支柱の音・・・・・
「・・・・・ん」
目をあけると真っ白な天井。
ゆっくりと身体を起こす。カーテンで仕切られたベッド。やっぱりここは保健室。
ーーーー・・・・・シャッ
開けられたカーテンを見ると、濡れタオルを持った悠哉がいた。
「大丈夫?」
優しい声。相変わらず私をドキドキさせるの。
「うん。ごめんね。」
起き上がった状態の癒芽に向かって、枕をたたく動作をした。
「もう少し寝てなよ。」
「タオルも持ってきたし。」といいながら私を寝かす。
「町田さん起きたー?」
カーテン越しに保健医の声が聞こえる。