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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜@
-1

〈プロローグ〉

神竜大戦、それはかつて大陸全土を巻き込み
人と神竜とが命を奪い合った戦いである。
人を支配する神竜、それに反旗を翻した人との戦いは数年に渡った。
やがて戦いは終結し、人は神竜との戦いに勝利した。あまりにも多くの犠牲を払ったその戦争は二度と繰り返してはならない歴史の一つとして語り継がれることとなった。
月日は流れ500年後、時は乱世、人は再び過ちを犯す。
巨大な権力と兵力を持ち全大陸を統治しようとする国家ジェラルド王国国王デェルフェムート
と、その支配権から逃れようとする各国との間で再び争いが続く。
また、突如姿を現した魔物の存在は更に混乱を招く。
払われる犠牲、治まらない混乱、人々はその中で何を思うのだろうか。

そして再び運命が交差する。

〈序章 赤き剣士と黒き魔導士〉

ゼルス大陸の森の中ジェラルド兵に追われる二人の少年の姿があった。一人は赤い髪の剣士アルス、もう一人は黒い髪の魔導士フォルツ。
「ちっ しつこい奴らだ」
アルスはうんざりという顔で言った。
ここ一ヶ月 何度かジェラルド兵に追われていたからだ。
「どうする?」
フォルツはアルスに尋ねる。
「返り討ちにしてやろうか」
アルスは鼻で笑いなが言った。答は解ってるからだ。
「まあまあ、ここはやっぱ撒こうぜ、これ以上しつこいのは嫌だしな」
「なら聞くなよ」
「まあ一応聞いとかないとな」
フォルツはそう言うと、追ってくるジェラルド兵5人に杖を向けた。
「ファイアーシェル!」
【ファイアーシェルは攻撃系の炎、氷、風、雷、光と補助系の内の炎の下位呪文だ】
フォルツの杖から火球が飛び ジェラルド兵の足下に落下する。
そして爆音と共に煙が立ち込める。しばらく経ち煙が薄れるころにはジェラルド兵は二人を完全に見失っていた。
森の片隅、切蕪に腰をおろすアルスとフォルツ。
「それにしても妙だな、たかがお尋ね者二人を捕まえる為に国外の大陸まで追ってくるなんて」
「だいたいお前が悪いんだぞ」
アルスの言葉を聞いて後ろめたそうにフォルツは言った。
「ん?」
自分のせいだと言われたアルスは一ヶ月前を振り返る。

《一ヶ月前

レヴェンド大陸の町の酒場、そこはジェラルドの国内の町だけありジェラルド兵で賑わっていた。
アルスとフォルツは酒場の隅で食事をしていた。辺りを見渡すと。2、3人程民間人がいるが殆どがジェラルド兵だ。ジェラルド兵は金色の甲冑をまとい、胸には獅子の紋章を付けている。
「ははははは」
3人程でかたまって酒を飲んでいたジェラルド兵の一人が大笑いをした。
「な、なにがおかしいんすか?」
新米風の兵士が笑われたことに少しムッとした様子で言う。
「お前なあ、本気で剣聖アルスと大魔導士フォルツなんか信じてるのか?」
もう一人の兵士が馬鹿にしたように言った。
「だ、だって有名な話じゃないすか。剣聖アルスと大魔導士フォルツの活躍で神竜を倒したって」顔を赤らめる新米風の兵士。
「んなもん迷信に決まってんだろ。実際神竜を倒したのは俺達みたいな兵隊だ、戦なんて数で決まるんだよ」
「そんなもんなんすかね?夢が無くなるな」
新米風の兵士はしぶしぶ納得したように言った。
「よそでそんなこと言うなよ、笑われんぞ。そんなもん信じてんのはガキか頭のイカれた野郎だってな」
それを聞いたアルスはすっと席を立ち、そのジェラルド兵に向かう。


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