Cross Destiny
〜神竜の牙〜@-8
「す、すごい!」
アルスとフォルツが二人でリザードの群れを倒した事実を知り討伐隊員達はどよめいた
「そんなことより数を教えろ」
討伐隊員達を急かすようにアルスは言った。
「は、はい。最初20匹程で今5匹倒したので15匹程です。」
「15か、楽勝だな」
フォルツは余裕を見せる。
「オーガ15匹が楽勝?あんたたちオーガと戦ったことあるのか?」
討伐隊員は、自分達が苦戦した敵を楽勝と言い放つのを聞いて多少ムッとした様子で尋ねる。
「いや一度も。だけど所詮は魔物だからな、俺達の敵じゃない」
更に余裕を見せるフォルツに、恐らくただの強がりに聞こえたのだろう討伐隊員達は呆れ顔に近い顔を見せた。
ただゼストだけはその強がりを疑ってはいなかった。
「ちなみにオーガは夜行性だ。とりあえず夜まで休もう。」
日が沈むまであと6時間。
ゼストに言われアルスとフォルツは、はずれの方の民家を借りて休むことにした。
討伐隊達も数人の見張りを残して外で休憩している。
そこの住人には許可を取ってあるようで快く迎えてくれた。
どうやら住人はここの主人と思われる男一人とその妻の女性一人と
二人の子どもの少女一人のようだ。
家の中は割と広く中央の部屋と三つの部屋があった。
奥の部屋をよく見ると、もう一組の家族らしき人たちが座っていた。
父親 母親 男の子 の三人のようだ。
どうやら全焼した民家の家族らしい。この家の主人が一時この家族を住ませてやってるようだ。
「くそ、なんでこんなことに!これも全てジェラルドのせいだ!!」
「あなた、命が助かっただけでも感謝しなくちゃ」
そして奥の部屋から愚痴が聞こえてきた。
「ジェラルドのせいとは?」
アルスが、一緒に愚痴を聞いていたこの家の主人に尋ねた。
「知らないんですか?」
家の主人が少しだけ驚いた様子で聞く?
「だから何が?」
「いいですか?今発生している魔物はジェラルドが作り出してると言われているんですよ。みんな言ってますよ」
ジェラルドと聞いて思い出したようにハッとする二人。
世界一の大国ジェラルド。数年前、突如出現した魔物。本当にジェラルドが関わっているのか?そして何の為に?
数々の疑問を抱きながら二人は食事を済ませ、用意された部屋へ向かう。部屋は割ときれいでベットが二つ用意されていた。窓から暖かい光りが差込む。
しばらく休息をとっていなかったアルスとフォルツはベットに倒れ込む。
「なあアルス、魔物の出現にジェラルドが関わっているって本当かな?」
「さあな、それだってただの噂だろ?」
「そうだけど・・・そういやジェラルドにいたときほとんど魔物と遭遇しなかったな?」
「ああ。」
「まあ、まだなんとも言えないけどな。
そういやジェラルドのやつら俺達をこの国まで追っかけて来たくせにこの国には俺達の情報行ってないんだな」
フォルツは首を傾げながら言った。
「たかだかジェラルド兵数人ブっとばしたくらいで全国指名手配するわけな・・・・ん?でも外国まで追っかけてきたわけだしな」
アルスはフォルツに答えかけようとしたが、言ってる途中で己の矛盾に気付いた。
「ぐー」
そうこうしてる内にフォルツが睡眠に入った。
「寝たか、俺もそろそろ寝るかな」
アルスも睡眠に入った。