投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

WAKALE
【失恋 恋愛小説】

WAKALEの最初へ WAKALE 9 WAKALE 11 WAKALEの最後へ

WAKALEー浩人ー-4

『じゃあ、俺帰るね。』
伝票を持って立ち上がった。
『ぁ…っ、ヒロ君!』
『ん?』
『また…相談乗ってくれる?』
ドキッとした。けど、冷静を装った。
『ああ、いいよ。いつでも電話して。』
『ありがとう!』
少しだけ微笑んだ。そう、その表情が見れればいい。手を振って、店を出た。
『さぁて…。』
早足で歩き出した。今度は翔の家に。いなかったら、ドアの前で待とう。
しかし、気になる。美貴ちゃんの事。空ちゃんは、『それまでの色んな感情が混ざって…』と言ってた。て事は、美貴ちゃんと翔がジュエリーショップに行く前にも会ってた可能性があるのかもしれない。それに、彼女は知っている。美貴ちゃんが、翔をずっと、好きだってゆう事ーーーー。今になって、俺と同じ立場のあの子が、翔を奪おうとするとも思えないが、何かしらの不安はあった。空ちゃんにもあって当然のはずだ。だって翔と美貴ちゃんは、周りから『お似合いカップル』と間違われるほど、仲が良い。その事を本物の彼女である空ちゃんが、気に病まないはずは無かった。




急いで電車に飛び乗った。翔のアパートは大学の最寄り駅から地下鉄で次の駅。駅について、俺はドアが開いた瞬間に走り出した。とにかく会って怒鳴らないと気が済まなかった。

何のために俺がお前に空ちゃんを譲ったと思ってんだ。初めて心から欲しいと思った女(ひと)とお前の幸せを、どんな思いで見守ってきたと思ってんだ。
お前しか、お前じゃなきゃ、空ちゃんを心から幸せにしてやれないからじゃないか……!

アパートの前に着いた。乱れた息を少し整えて、高ぶる気持ちを落ち着かせて、階段をゆっくり登った。ゆっくりゆっくり歩いて、ドアの前まで来た。
電気がついてる。いる。
インターホンを押した。

ピンポーン


変に間があいた。いつもの翔なら、すぐに出てくるのに……。やっぱり出る気分にならないのだろうか?
……待て…。話し声…?

翔の部屋から確かに話し声がした。電話か?とも思ったが、そうじゃないらしい。また嫌な予感がした。まさかーーーー。
ドンドンと俺はドアを叩いた。
『翔、俺だ。浩人!』
何の返事もない。一体どうゆうー。

<…なよ。>

ドキッとした。女の……声……。

<いいよ。>
<何で?>
<いいんだ。>

翔が、出たくないみたいだ。何故?とゆうか、あの女の声…。

ドンドンともう一回俺はドアを叩いた。今は翔が俺と話したくない理由とか、そんなのどうだっていい。一言言わなきゃ気が済まない。
『おい、翔!どうしても話したい事があんだ!開けろよ!』


WAKALEの最初へ WAKALE 9 WAKALE 11 WAKALEの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前