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ヴァンパイアプリンス
【ファンタジー 官能小説】

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ヴァンパイアプリンス4-3

「…もう。強情だなぁ。」
宏樹は苦笑して、誘導されるがままにソファに腰掛けた。
「座るんじゃなくて、横になって。」
「イイよ。大丈…」
「駄目!」
月下はどうしても、宏樹を休ませたかった。
「お願い…あたしの前では無理しないで…心配だよ…」
「わかったよ…」
宏樹は観念して、ソファに横になる。
「でも、誰か来たら起こしてね?」
「うん。わかった。」
月下は椅子に腰掛ける。
「駄目だよ、月下。」
「え?」
宏樹は立ち上がった。
「な…何?」
―カチャ
「よし。」
宏樹は部屋にロックを掛けて、再びソファに腰を下ろした。
「おいで。」
宏樹はネクタイを外しながら、月下を呼ぶ。
「(え!?ソレッて…ココ、学校だよ!?)」
月下は顔を赤くした。
「あのッ…でも…」
「?何?もう、言う事聞いてよ!(笑」
宏樹は月下を真似てみた。
「…似てない…」
「イイから!!おいでってば!(照」
月下はふふっと笑って、宏樹の元へ歩み寄った。
「月下、俺マジで寝るよ?」
「え、うん…。」
「その間、かまってやれないけど…イイ?」
「もう!大丈夫だってば!」
「そっか。じゃあ大丈夫だね。」
宏樹はにっこり笑っていった。
「月下はココだから。」
「え?」
「俺の枕になるの♪」
月下は宏樹にひっぱられ、ソファに座った。
「やだよぉ〜…恥ずかしいもん!」
宏樹はむっとした顔で言った。
「じゃあ俺、寝ない。」
「(スネてる宏樹、初めてみたぁ!可愛いし!!)…わかりましたよ。」
「うん。じゃあ早速。おやすみ、月下。」
宏樹は月下の太ももに頭を乗せる。
宏樹のさらさらの髪が月下の太ももを撫でた。
「(くすぐったい…)おやすみ。」
宏樹は相当疲れてるらしく、すぐに眠りについた。スースーと寝息をたてている。
「(相当疲れてるんだな…)」
月下はそんな姿に、心を痛めた。
「(それなのにあたしったら…宏樹が誘ってるものだと勘違いして…情けない…)」
月下は自分が恥ずかしくて、情けなくて…泣きそうになった。
「(う〜…あたしどんどんエロ化が進んでるよ…)」
月下はじッと宏樹の顔を見た。
「(今…すごく宏樹に抱かれたい…)」
月下はそッと宏樹の頬にかかる髪を払った。
「(顔キレイだな)」
長い睫毛。キレイな形の唇。滑らかな肌。
「(でも…あたしはもっと知ってる。)」
細く見えるけど、意外に筋肉が付いてる腕とか、キレイで広い背中とか、指が細長い事とか、キス魔でキスがうまい事とか、意外にエッチだって事とか。
「(ッて何言ってるんだろう!特に最後のほう!!)」
月下は自分で言って、恥ずかしくなってしまった。
「(ヤバイ…我慢出来ないよ〜…)」
宏樹の寝顔で理性をギリギリ保っている月下は、性欲を抑えるために目を閉じた。
「(精神統一…邪気退散!!)」
月下は心を無にする。
「(…キスしてぇ)」
無にする…?
「(宏樹ィ〜…)」
作戦失敗。
「(うわ〜ん!自分のバカぁぁぁ〜!)」
結論、月下の心は邪気でいっぱい。(笑
「…うう〜ん…」
「んッ(きゃ〜!宏樹ッ!寝返りは反則だよ!)」
宏樹のさらさらの髪が再び月下の太ももを撫でる。
「(くすぐったいぃぃぃ〜!!)」
月下はすやすやと眠る宏樹に目を落とした。
「(故意にやったんじゃなさそう…。え、じゃあ宏樹は生粋のエロッ子?エロの申し子なんだ〜。へ〜…)」
月下、欲求不満のため眠る宏樹にもあたる。
「(…アホくさ。あたしって本当に嫌な女だ…。)」
そして自分に凹む。
「(…ちゅうぐらいイイよね?)」
月下は宏樹の横顔にそっと触れた。
「(ゴメンね、宏樹。我慢出来ない…)」
―ちゅッ
そっと頬に…
「(ん!?何でこんなに柔らかい…)」
唇を下ろした…はずだった。
「ご馳走様♪」
「え!?何で!?」
宏樹の手は、しっかりと月下の首筋を絡めていた。
「宏樹ッん…」
宏樹は月下の話を最後まで聞き終わる前に、激しく唇を合わせていた。
「…ふぁ…」
数秒後、やっと月下はちゃんと口から空気を吸うことが出来るようになった。
「も…息…出来な…いよぉ〜…」
「ははッ。ちょっと長かった?」
宏樹は体を起こして伸びをした。
「んんん〜ッ!よく寝たぁぁ〜!」
「本当?」
月下は不安そうに宏樹を見上げる。
「え?うん。本当だよ。」
宏樹はポンッと月下の頭を撫でる。


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