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ヴァンパイアプリンス
【ファンタジー 官能小説】

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ヴァンパイアプリンス3-5

「ひッろきッ…?」
月下は、宏樹の頬に付いた髪をそっととった。
「…」
「ありゃ?」
宏樹からはスースーと寝息を立てていた。
「宏樹の寝てるトコ初めて見た!…可愛い」
月下は宏樹を起こさないように、ベッドから下りる
いつもは月下の方が先に寝てしまうのて、月下は宏樹の寝顔が珍しくてしょうがない。
「ふふッ」
月下は下着を身に付けながら、宏樹の寝顔をじ〜ッと見る。
―ぐぃッ
「きゃッ!宏樹ッ?!起きてたのッ?!」
宏樹は月下を自分の上に引き倒す。
「うん。だって…月下より俺の方が体力あるでしょ?」
「…やられたぁ〜…」
宏樹は満足したように笑った。
月下は悔しそうに、宏樹の胸に頭を寄せる。
「…もぉッ」
宏樹は月下を起こして、自分も起きた。
「暑い…な」
宏樹の頬から汗がたれる。
宏樹はトランクスとジーンズを身に付けて、扇風機を付ける。
「涼しい…。」
「だろ?…あ。月下、風邪ひくから、早く服着なさいッ」
月下は下着姿だった。
「あ…。」
月下は服を着る。
「…何?宏樹。」
宏樹は月下の着替えの様子を見ていた。
「ん〜?…着替えの様子ってエッチだなって思ってッ」
「何言って…んッ」
宏樹は月下の体に指を這わせる。
「月下…こんな所にホクロがある…」
「え?」
宏樹は月下の背中の裏に、ホクロを見つけた。
「可愛い…」
「やッ…ダメッ」
宏樹は月下がせっかく着たTシャツをじわじわとたくし上げる。
「んッ!せっかく着たのに…」
「…また着ればイイじゃん」
―ガチャ
「ただぃまぁ〜ッ」
「「ん?」」
「月下??いるのぉ?」
「…雅人だ…」
どすどすと階段を登ってくる音がする。
(助かったぁ〜…)
月下は急いで服を直した。

「月下ぁぁ♪」
元気のイイ声と共に、雅人が宏樹の部屋に入ってきた。
「雅人くんッ」
「久しぶりだなッ!祭りぶり?」
宏樹は無言で月下と雅人の間に入る。
「んだょ!兄貴ッ」
「風呂入ってこい。」
雅人の背中は汗で濡れていた。
「…せっかく月下に逢えたのにィ」
雅人はしぶしぶ風呂場に向かった。

「…あ。」
突然、月下が何かを思い出したように言った。
「ね、今日はイイの?血。」
宏樹はいつもエッチの前に、月下の血をいただく。
「…うん。俺は吸ってもイイんだけど、月下が立てなくなるょ?」
月下は少し考えた。
「……ソレは困るけど宏樹は大丈夫?」
月下は心配そうに、宏樹を見つめる。
―ちゅッ
「大丈夫だょ。二週間は平気。」
宏樹は月下のおでこにキスを落とす。
「そう…」
そう言って月下は宏樹の腰に手をまわす。

「…ふッふッふぅ。青春だねぇ」
「親父!?いつから…」
ドアの外から宏樹父が、二人の様子を見ていた。
「あッ!じゃぁあたしそろそろ…」
「えッ?帰るの?」
「うん…今日は家族団欒を楽しんで?じゃ、お邪魔しましたッ」
月下は素早く部屋を後にした。
「月下ッ、送るよッ」
宏樹も月下を追い掛けた。
「…紗詠子、宏樹はイイ子を捕まえたぞ」
父は微笑ましく見ていたのであった。
「わッ!親父ッ!!何でいるの!?」
風呂あがりの雅人が、父を見つけて駆け寄る。
「まッ雅人ッ!!」
父は雅人を抱き締めた。
「なッ!?止めろって」

「ゴメンな、月下。」
「ううん。全然ッ!じゃ、玄関まででイイから。」
月下がドアに手を掛ける。
「月下ッちょっと待って」
「ん?」
―ちゅッ
月下の唇に優しくキスを落とす。
「……んッもぅッ。長いょぉ…」
月下は照れ隠しに怒ってみた。
「じゃぁ…ね」
「うん、またな」
そう言って月下は、玄関を出た。


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