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ロッカーの中の秘密の恋
【教師 官能小説】

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ロッカーの中の秘密の恋-3

私は、研究室のソファで横たわっていた。ブランケットが一枚かぶせられている。体がけだるくて視線だけで教授を探したけれどいない。のろのろと乱れた服を正す。ふと、下着がない事に気がつく。足に絡まっていたはずのパンティがない。慌てて、忌々しいロッカーをのぞく。ない。けれどロッカーの床が濡れていることに気がついてうろたえるやら赤面するやらしているところに、バタリとドアが開いて主犯が入ってきた。
「おはよう、にゃんこ。大丈夫?」
「あの、下着・・・」
「あ。パンティーね。今、あらって乾かしてきたから。はい。」
そういって、彼から受け取った下着は私の青いストライプで、私は恥ずかしくてひったくるようにそれを受け取った。彼はこっちを見たまま動かない。
「あの、あっち向いててください。」
「いやです。」
ばかばかしくて、私は部屋を見渡し、しょうがなくまたロッカーに入って下着をつけた。
外から、スケベでだらしない教授が、にゃんこ、ロッカー気に入った?と言っている。ばかばかしくて、ちがいます、と言うのが精一杯で黙りこんだ。その上、なんか涙まで出てきて私はロッカーの中で立ちすくんだ。一人ならここもさっきみたいに狭くはないのか、と変に感心したり。
バン、と激しい音とともにロッカーが開く。
「な、なに泣いてんの、にゃんこ。」
彼は私の腕をまたも強引に掴んでロッカーから引っ張り出し、抱え込んで、よしよしと背中を撫でる。
「にゃんこ〜?」
「嫌・・で、す・・・あた、、し。」しゃくりあげて、言葉がつながらない。
「何が?」
「・・・・好き。」
「えぇ??何が嫌で、何をすきなの?」
何も言えなくなった。このゼミで長らくこのだらしない教授と付き合って、あぁ、情けない、と思いながら見ていた。だけど、本当に専門分野に関してはほとんど天才みたいなひとで、尊敬だってしている。見てくれこそもっさりしているけど、ずっと惹かれていた。
彼は気がついていたはずだ、私の気持ちは。だけど今までずっとのらりくらりといつもの調子でかわされ続けてきた。
「さっきさ、キスしなかったよね。」
この人はまた不思議なことを言い出した。
「にゃんこ、茂木と付き合うことにしたの?」
何か、私は訳が分からなくなってきて、目で聞き返す。
「先週、茂木に好きだって言われたでしょ?」
言われた。なんでそんなこと知ってるの?
「僕ね、あの時この中にいたんですよ。」
そういって彼はロッカーを指す。クラクラした。このキチガイ。
茂木さんはこのゼミの助手だ。まだ若くて、この人よりずっとまともな青年だ。こんなまっとうで健康的なひとが私を好きだという。すぐに返事ができなかった。
「にゃんことは通じ合ってるんだと思い込んでた。にゃんこも僕がすきなんだと思ってた。」
彼の気持ちのできるだけ深いところが読みたくて、じっとその目を覗いた。さっきの欲とは違う枯渇が揺れている。
「どうなの、にゃんこ。」
私は自分をなだめるために、ふぅと息を吐いた。
「茂木さんとは付き合いません。」
「ほんとうに?」
「ほんとうに。」
私たちは見合わせて笑った。
「それでは誓いのキスを。」
扉が開けっ放しのロッカーの秘密の共犯同士のキス。その味はひどく、甘かった。


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