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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』
【学園物 官能小説】

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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.4-3

「柏沼先生、ゆりちゃんは今日、お休みです」
入口辺りで理系の木田 英理子(キダ エリコ)と藤塚 愛美(フジツカ メグミ)が欠席の有無を物理教師に伝えていた。
物理教師、柏沼(カシヌマ)はにっこりと笑って二人に礼を言う。

「ゆりちゃん休みなの?」
通り掛かった矢田は透かさず聞き返す。そう言えば朝から見て無いよね、と付け加えて。
他の男子には到底真似出来ない女子とのコミュニケーションだが、矢田にとっては何でも無い様だ。
「そう。ゆりちゃんが休むのって珍しいよね」
小さめの声で英理子が返す。
身体も声も小さい英理子。存在感も小さめだから、クラス最小の美樹よりも小さく感じる。
「試験前での欠席は響くからね。後でノートのコピーでも届けてあげないと」
眼鏡でおさげのクラス委員、愛美が答える。
「さっすが委員長、頼りになるねっ」
矢田が言い終わる頃、チャイムが鳴り響く。矢田を始め、多くの生徒が急いで席に着く。
勿論、その中には少しよそよそしい桜の姿もあった―――





ダムッ…ダムッ…
右の利き手で軽くドリブルをする。目の前に相手が居ても居なくても、桜にとってこの動作は何も変わらない。
肩幅程度に開いた脚。利き手側が半歩程前に位置している。膝は軽く曲げられ、態勢はやや低め。
右手でボールを操りながらジリジリとゴールににじり寄る。
ダム…ダムダム……ダムッ…ダッ
音が途切れた後は猫の様な俊敏な動きだった。両手でボールを持ち、リズムをつけてゴールへと足を運ぶ。
1、2、3…
何度と無く繰り返された一連の動きは、今日も狂う事無くネットを揺らす。
2歩でゴール下まで移動し、2歩目で着地した足を軸に垂直に飛び上がる。利き手を伸ばし、掌に乗せられたボールをゴールネットに入れる。
そう、完璧なレイアップシュートだ。

「ぶらぼー」
戸口で観覧していた矢田が手を叩く。昨夕以来の桜への接近だった。
「………矢田もやる?」
弾みながら足下を転がるボールを拾い、肩を上下させながら桜は言った。

約1日ぶりの会話。
昨日の放課後は、正直思い出すだけでも恥ずかしさと後悔が心を乱す。だから、朝から一言も矢田に声を掛けられなかったのだ。
なのに矢田は……。

無造作に両手で前にボールを押し出す、チェストパス で矢田にボールを送る。
弾く事無く、ボールは矢田の両手にミートして軽快な音と共にキャッチされた。
「俺、バッシュ持って来てないもん。無ぅ理」
矢田が自分の足下を指差して笑った。ネクタイと同じえんじ色の、屋内用のスリッパを履いている。
矢田は先程キャッチしたボールを宙に向かって投げた。綺麗な弧を描いてパシッと桜の掌に収まった。

桜はボールを足下に置き、バスケットシューズの紐を解く。がっしりと重たいシューズを脱ぐと、足を覆っていた黒いソックスも脱いだ。
「これなら良いでしょ。ほら、矢田ッ」
桜が素足でコートに立った。スカートの下にハーフパンツと言うのは少しおかしいが、贅肉が微塵も感じられない真っ白な脚は、とても綺麗だった。
「駄目だよ桜ちゃん。怪我するって」
矢田は苦笑しながらコートに上がる。勿論、くるぶし迄の白いソックスは、ポケットの中だ。


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