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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』
【学園物 官能小説】

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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.4-2

「俺とレポートやらない?」

にぃっと笑って白い歯を出した。矢田の耳朶に飾られた、透明ピアスがキラリと光る。
冗談なのか本気なのか。
桜は自分より少し背の低い、矢田 智春が不思議で仕方なかった。
(第一、自分より背の高い女を普通口説く?)
持っていた鍵の束から『会議室』と書かれたシルバーの鍵を選び、鍵穴に差し込む。その何気無い動作に、やっぱり冗談だったのかと桜は思う。
(普通なら告白してすぐには何も行動出来ないわよ。相手の返事を待つとか、普通なら……)

ガチャン…

鍵がロックした音で、はっと桜は気が付いた。
「桜ちゃん、どうしたの?」
不意に黙りこくった桜を見て、矢田は尋ねる。
しかし、顔を真っ直ぐに見られた桜は思わず俯いてしまった。
身長がある分矢田には桜の前髪しか見えず、表情が窺え無い。
「????」
疑問に思う矢田を残し、何故だか早まる鼓動に桜は狼狽する。
居心地の悪い焦りと、脈打つ様に絶え間ない胸の痛み。
(あたしは一体どうしたの?)
さっきまで普通に接していた筈なのに、その"普通"が解らなくなってしまったのだ。

「桜ちゃーん?」

心配する矢田が不意に桜の頭を触ったのは、そんな、心に目隠しをされてしまった桜への、最初の試練だったのかも知れない。

「いやっ…」

脳天を突き抜ける様な熱さを感じた。触れたであろう、前髪辺りがほのかに熱い。
弾かれた様に頭を上げた桜に、矢田の行き場を無くした手は一時停止の状態だ。
「……あ、ごめん」
矢田がつい謝ると、消えそうな声で桜も謝った。

何が悪いのではない。ただ、タイミングがずれてしまったのだ。
お互いにふざけ合う位置関係の『友達』と言うカテゴリーから、半歩程離れてしまったのかも知れない。
矢田の言葉が引き金だったのか、桜の反応が過剰過ぎたのか………それはもう後の祭りである。
無音の空気。
行き場を無くした視線。
えも言えぬ不安感。
桜も矢田も、ただ黙りこくるばかりだった。





「しぃ〜み〜ずっ」
矢田が猫撫で声で清水を呼ぶ時は、必ずと言って良いほど清水に不運が舞い降りるのがお約束だ。
引きつった笑みを浮かべながら清水が振り返ると、満面の笑みを浮かべた矢田が仁王立ちで立っていた。
「や、矢田君?」
朝のショートホームルームも終わり、がやがやと多少騒々しくなった。
そんな教室を抜けだし、廊下に設置されている個人ロッカーに背を預けながら矢田は清水に声を掛ける。
「清水は課題どんなだった?」
矢田の質問に、清水はぐったり気味だ。
「言えませんよ。第一、こんなに人の多い所でする会話じゃ無いですし」
ロッカーから次の授業に使用する教科書等を引っ張り出しながら、努めて平静に清水は答える。
「えぇーっ、清水のくせに拒否権とは生意気ぃっ」
口を尖らせた矢田が、清水の隣りで同じ様にロッカーを漁る西岡にも同意を求める。
「西岡も課題どんなだった?清水の野郎、教えてくれないんだぜ?」
ロッカーから目的の物を引っ張り出した西岡は、いつもの不敵な顔でニヤリと笑う。
「朝も言っただろ。何とかなんじゃね?って」
「それ全然答えになってねぇし」
矢田は、ちぇっ、と舌打ちをしながら、次の授業を受けるべく廊下を進む。
東側の階段を下りて渡り廊下を突き進み、新校舎の二階、東端「物理室」が目的地だ。


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