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いつもの場所で
【青春 恋愛小説】

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いつもの場所で-5

「サボり魔」
いつもの声といつもの挨拶。
そして、俺は目も開けず、言った
「橋・・・本?」
正直、まだ自信なかった。
あいつの匂いがしてるけど、そんなの同じ香水使えばどうにでもなるし、声だって・・・挨拶だって・・・
「よくわかったね、蓮次」
恐る恐る目を開けるとそこにはいつもの笑顔で俺を見つめる橋本がいた。
この顔見るとほっとする。
俺を一歩進ませてくれたから?
俺の名前覚えていたから?
違う、きっともっと違うところに答えはあるんだ。
「俺・・・お前の名前わかったよ」
「ホントに?調べたの?」
俺の顔赤くなってないかな・・・
やべぇ・・・手震えてきた・・・汗握ってるし・・・だせぇ・・・
「玲緒那・・・・橋本玲緒那だろ?」
ちょっと震えた声で俺は言った。
顔が火照っているのがわかる。でも、逸らせなかったんだ、優しくて力強い瞳から
「正解、よく調べたね!」
優しく頭をなでられた。すごい心地よかった。
こんなに優しくなでられたの、小学生以来かもしれない。
「俺、またサッカー始めることにしたんだ。」
「そっか・・・部活で?」
そっか・・・さっきの疑問わかった・・・。橋本の・・・いや、玲緒那の雰囲気が俺を心地よくさせるんだ。
「うん・・・俺が試合出れるようになったら・・・試合見に来てくれないか?」
「いいよ、見に行く絶対!」
俺たちは微笑みあった、まるで恋人たちのように
 
 
 
夕方、家に帰っても玲緒那の手の優しさと顔が頭から離れなかった。
「やばいな・・・俺・・・もうはまっちまったのかよ・・・」
『PPPP・・・・PPPPP・・・・』
メールだ・・・誰だろ?
『Flom:長谷川 隼
 Subject:無題
 ―――-本文―――――
 おっす、サッカー部入ったんだって?
 担任が騒いでたぞ。
 ところで、今日様子おかしかったけど
 どうした?なんか悩みあんの?
 
 
    ‐‐‐END‐‐‐              』

相変わらず、隼は勘がいいなと思いつつ、返信した。
笑われてもいいか、事実だ。
『To:長谷川 隼
 Subject:無題
 ――――本文――――
 俺、恋をしたみたいだ。
 
 
 
     ‐‐‐END‐‐‐         』

自分でも読み返しても笑える。
俺、意外とロマンティストかもな。
隼から返信が届き、見た瞬間に驚愕した。

『Flom:長谷川 隼
 Subject:無題
 ―――-本文―――――
 橋本、意外と人気あるから告るなら
 今のうちだぞ
 
 
    ‐‐‐END‐‐‐             』

何でもお見通しかよ・・・。
その日は携帯が鳴り止まなかった。
吉田や、浅原や凛華から頑張れだの、早く告れだの相手は誰だのメールが鳴り止まなかったからだ。
どうやら、Wデートしていたらしい。
そこで今日の俺が変だったと話題になったのでメールをしたら、俺からあんな返事が返ってきたから大騒ぎだったとのこと。
俺は、なんて恥ずかしいことしたんだと悔やんだ。
まさかWデート中だとは・・・。
明日になったら今日の一部の記憶がなくなってますように。


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