俺らの明日-5
〜文化祭編〜
『え〜それではみなさん、うちのクラスは劇をやることに決まったんで何か案を出してください。』
「お前何する?」
「俺は大道具でいいよ。」
「そうじゃなくて何の劇やるかってこと。」
「作るものが少ないやつ。」
「どんだけぐうたらなんだよ。」
「例えば?」
「・・・桃太郎。」
「いるの桃だけじゃねーか。」
「背景がいるだろ。」
「そこは、ほら演技でカバーというか。」
「素人に無茶だよ。」
「お前は何やりて―んだ?」
「ん〜、何かRPGとかやりてーな。」
「桃太郎もある意味RPGじゃん。」
「そうじゃなくてドラクエみたいな。」
「は?お前RPGつったらファイナルファンタジーだろ。」
「馬鹿かお前。ドラクエに決まってんだろ。」
「んだとコラ。」
「やんのかコラ。」
「上等じゃねーか、廊下出ろ廊下。」
「とめて欲しいか?」
「切に願う。」
「やめとけ、周りに迷惑だ。」
「そうだな。」
「勝負はおあずけだな。」
「命拾いしたな。」
「んだと?」
「いい加減俺がキレるよ。」
「すまん。」
「まぁ、実際問題ファイナルファンタジーを劇でやるのは難しいだろうな。」
「ドラクエか〜。」
「お前何やる?」
「パラディンとかやりてーな。」
「調子のんな、ダイオキシンが。」
「前も言ってたけどなんなの、それ?」
「お前は羊飼いでもやってろ。」
「ほのぼのだな。おい。」
「お前羊飼いなめんじゃねーぞ。羊操れんだから。」
「それに女子とかも見んだからマニアックなのは無理だよ。」
「そうだな〜、だったら・・・」
「お前は村人Bでもやってろ。」
「村人B!?」
「わはは。いいな、村人B。似合ってんじゃん。」
「セリフ『勇者様〜、助けてくだせぇ〜。』」
「んで次の瞬間魔物にやられるっと」
「わははは。」
「てめえら・・・」
「じゃあ、俺は魔物の役やるよ。」
「お前は駄目だよ。ごついんだから勇者に勝っちまいそうだ。」
「こうして世界は暗黒の時代になった。」
「駄目じゃん。」
「いっそ魔物を中心にして作ったら面白いかもな。」
「じゃあ勇者が悪者か。」
「ていうか魔王って馬鹿なんだよ。いちいち雑魚にやらせんと最初から自分が出向いたらいいんだよ。そうすりゃ一発で終わりだ。」
「誰が買うんだよ、そのゲーム。街でたら魔王が出るなんて。」
「それを言っちゃあお終いだ。」
「ああ、けどどうせなら脇役じゃなくて勇者やりてえな。」
「お前はそんな器じゃねーよ。」
「白昼夢みてんじゃねーよ、ダイオキシンが。」
「だからさ、ダイオキシンって何?」
「焼却炉から出るやつだよ。」
「みんなの嫌われもんだ。」
「もういいもういい。」
『賢治〜、お前主役やってくれねーか?』
「なにーー!?」
「おいおい、マジかよ。」
「いいの?俺勇者やっていいの?」
『?何の話だ?』
「ドラクエやんじゃねーの?」
「それは俺らの中での話しだ。」
「じゃあ何すんだ?」
『美女と野獣。』
「ぶはっ!!」
「ぶふっ!!」
「野獣かよ!?やだよ。」
『いや、美女のほう。』
「お笑い!?」
「だーはっはっは。」
「やばいやばい、息が出来ねえ。」
「いいじゃん。お前のやりたかった主役だ。」
「そんなの嫌だーーー!!」
「すいませーん、賢治君がやるそうです。」
「てめえ。なに勝手にほざいてんだ!?」
『ん、決定。』
「やめてーーー!!」