fantasy ability・5‐“覚醒”へのcount down‐-11
「すみません。助かりました。」
慌て、後ろに下がる。両陣とも、間合いを取る。誠慈さんと相手の真ん中にいる奴が喋り始めた。
「‥‥‥貴様は、神城 光か。そっちが、神城 誠慈だな。」
「‥‥そうだが、何故知っている?」
「我等の主は何でも知っているさ。」
「そうか。ならば、このまま帰す訳にはいかないな!」
「もとより、そのつもりだ!‥‥死ねぇ!」
「甘いな!イメージマテリアライズ!」
〈ヒュン!ギィン!〉
「‥‥悪いが、コイツの初陣でもあるんだ。一対一でやろうじゃないか。」
「‥‥よかろう、しかし、死んでも知らぬぞ!」
‥‥意外と紳士だな。しかし、殺られる訳にはいかない!そのまま、右にいた敵に突っ込む。
「はあぁぁぁぁ!」
〈ヒュン‥ヒュン‥ヒュン‥〉
しかし、当たらないとごろか、見事に遊ばれている。
「これはもうけ、コイツ、弱いぞ!」
「‥ハァハァ、くそっ!」
「‥‥なんだ、もう疲れたのか?なら、死ねぇ!」
〈ヒュン!‥ギィン!‥ヒュン!‥ギィン!‥〉
防ぐのが精一杯だった。‥‥くそっ!
「オラオラ!まだまだ、続くぜ!」
「‥くっ!!」
〈ヒュン!ギィン!ヒュン!ギィン!ヒュン!ギィン!〉
このままではヤバい!ふと、周りを見る。誠慈さんや光先輩は相手と対等に戦っていた。‥‥誠慈さんが、間合いを取り、敵から離れた。何故?その瞬間、離れているのに、剣を縦に振り抜いた。‥‥なんと、敵の体から大量の血が出た!‥‥真空斬なのか?‥‥俺も敵から離れた。
「‥‥何!?逃げるのか?」
「‥‥出来るかわからないけど、やってみるしかない!‥はあぁぁぁぁ!」
腕が千切れるぐらいの速さで双剣を縦に振り抜いた!
〈ヒュヒュン!!!〉
‥二筋の“線”が見えた!
「な‥に‥!‥?」
〈ブッシュウ!〉
敵の体全身から血が飛び出る。
「そんな‥ば‥かな!?こんな‥や‥つに‥やら‥れるとは‥‥」
そう言い残し、敵の体は霧となって消えた。
「‥‥ハァハァ、出来た!?ハァハァ、ハァハァ。」
「‥‥まさか、俺の剣技を真似するとは。しかも、成功するなんて。」
いつの間にか、誠慈さんが敵を倒していた。
「‥‥偶然ですよ。ハァハァ、ハァハァ。」
「‥そうか?俺は使うのに、百年かかったぞ。それを、‥‥まだ幻想具現化が最近出来た奴に使われるとは。」
「きっと、素振りが役に立ったですよ。ハァハァ。」
「‥‥そうかもな、しかし、出来た事は出来たんだ。それは、誇りに思え、でないと死んでいたかも知れないだぞ?」
「ハァハァ、はい。わかりました、ハァハァ。」
「‥‥それはそうと、光、そろそろ真面目にやれ!」
先ほどから光先輩は、攻撃をしてなかった。