「雨のち虹」第1話「アンラッキー」-3
昔、とある「悩み」を解決したことと探偵をしていた親父が原因で空は一部の人から恐れられていた・・
この街は割と都会だが交番などが遠く以前から問題になっている・・しかも警察から遠いというのはこの街の事件への対応はなかなかいい加減になってくるということだ
そうでなくても警察などの対応のいい加減さが問題になっている
時代に、そんな悪条件がついてくる・・だから探偵である親父は必然的にこの街の人から頼りにされていた
真剣に事件の解決に取り組む姿勢と・・
なにより権力に負けない立場であった親父は空の目から見ても警察などより頼りになりそうだった、
ちなみに空も影ながら協力してきたのだが・・
親父は頼りにされてた
そして親父が海外に行ってからは空が依頼を受けた、もちろん空は子供なので少々依頼は減ったが・・
プレッシャーは感じた、でも昔から親父にあらゆる面で鍛えられていたので別に問題はなかったし、そういう仕事も嫌いじゃなかったので親父の依頼を引き継いでいたのだ・・
ちなみに「ハイエナ」は空の親父のここらでの通り名だ、
親父が残した仕事をしているうちに、いつの間にか空は「ハイエナ」 二世になっていた
個人的にはそう呼ばれるのは嫌いだったが
先の話でわかるように今の空の信用もひいては親父の信用を引き継いだだけで・・
その上でのハイエナと呼ばれるのは、まるで親父の食い残しをあさっている「ハイエナ」といわれているように感じたからだ・・
ついでにお悩み相談室は少しでも親父に
追いつくためのものだ 個人の力では親父の
代役は難いし何より
面白くない・・
だから部活に入った人間を協力者にしようという思惑のもと作られた・・
そして今、目の前には協力者候補の一年生が・・
「大丈夫?」
笑顔で小柄な少女に
問いかける
「はい・・」
少女はわずかに震えており・・少し涙目だった
「ありがとうございました・・」目を合わさず礼を言った・・
警戒されている気がした・・無理もないか
かなり顔は可愛かったが表情にはどこか寂しげな影がかかっており・・悩んでいるようにも見えた・・
仮にもお悩み相談室なので悩みがあるなら
解決してあげたいし、うまく恩を売れば、
仲間が増える可能性もあるかも知れない・・
若干の邪念のもと
新入部員獲得プランは完成した
「君・・名前は?」
「水綺すずめです・・」 なんかきれいな名前だな・・そう思ったので
素直に
「きれいな響きだね・・」と言ってみた・・
「・・ありがとうございます・・」
あまり感情のこもらない礼をいった・・
まだ警戒されているのかもしれない・・
「あんまり警戒しなくてもいいよ?別に
さっきの連中みたいにナンパしにきたわけじゃないし・・」
「・・警戒なんてしてませんが・・」
どうみてもそうは見えないが・・とりあえず話を進めよう
「そうか、ならいいけど・・ん?」
いつの間にか天候が崩れて雨が降ってきた・・ 「雨・・・・うっ」
すずめは何故かビクビクと肩を震わせた・・
空の目には雨に怯えているようにも見えた 空とすずめが立っていたのは調度食堂の近くだったので空は食堂を指差して誘った
「入る?雨嫌いみたいだし・・飲み物位なら奢るよ?」
「あ・・はい・・」
すずめは流されるように承諾した・・