「雨のち虹」第1話「アンラッキー」-15
まるでココアを流し込んだ時のような温かさが胸を覆った・・
今まで我慢してきた分無性に泣きたくなったまぁ今までも泣いていたのだが・・
「じゃあ泣いていいですか?」
とりあえず先輩を頼ってみた・・
「いいよ・・でもそれは悩みを聞かせてくれるって思ってもいいのかな?」
私は無言で頷いた・・
そして思いっきり泣いた・・
先輩は私の頭を撫でてくれた・・
久しぶりに・・
甘えてもいいよね・・
『友達』
ここは空が去った後のゲーム部・・佐々垣 宗 は意識を取り戻した後異臭漂う部室から 出ていた・・ちなみに
ここは部室前
「こんな所で、お陀仏ってわけには絶対いかないからね・・」
空がいなくなってから命がけで抜け出した・蓮は余裕そうなので残してきたが
「たくっ空は一体どこいっちゃったんだ・・」 気付いたら空はいなくなっていた・・逃げたんだろうか?
まぁいいや・・もしかしたら消臭剤くらい買ってきてくれるかもしれないし井上さんが帰るまでここで待とう
−・・・
そうこうしてしばらくたった・・井上さんは・・帰る気配がない、
もう何かを諦めかけたその時
声がかかった
「すいません、ここは悩み相談室ですよね?部長の合世先輩はいますか?」
若干高かったが
男の声だった
見るとそこには一年生らしい男の子と・・
笑顔をたたえた女の子がいた・・
「はい、そうですけど何かお悩みでも?」
すると今度は女の子のほうが
「実は友達の事で相談が・・聞いてもらえますか?」
「もちろん!ただ、
今は部長が不在なのでとりあえず俺が話を聞くけど構わないかな?」
「はい!お願いします・ ええと・・」
女の子は宗の顔をみて困っているようだった・・
「ああ俺は副部長の
佐々垣 宗だよ
君たちは?」
問いかけると女の子が答えた
「今日入学した小崎蛍です」
次に男の子が
「同じで江丘明です。」
やっぱり一年生か・・
「蛍ちゃんに明くん
か・・よろしく
入学式後すぐに
来るなんよっぽどその友達が大切なんだね」
「はい・・その子とっても強がりで、最近明らかに元気が無いのに
なんでもないよって作り笑いするんです」
「一応聞くけどその子は本当に悩んでるんだよね?」
「はい・・本人は強がってるんですけど
隠しきれてなくて・・
それに最近、しかも誕生日にお父さんが亡くななっててそれが原因じゃないかと・・」
誕生日にお父さんを亡くすとは、可哀想な話だ・・