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「雨のち虹」第1話「アンラッキー」-10

そんな私にお父さんは言った・・
「あんまり強がるなよ・・少なくとも俺の前では・・
あんまり会えないし・・たまには娘らしく・・
甘えてもいいんじゃないか?
その方が俺も父親らしく見えるし・・」

「じゃあ一つだけお願い・・」
「なんだ?」
「元気でいるって約束守って」
「やっぱりあんまり甘えちゃくれないんだな・・」
「まぁ・・結構落ちついてきたから・・」
そういって笑った
「じゃあまぁ出来る限り元気でいるよう努力するよ・・」


これは神様からの皮肉だろうか・・流れ的にもそうとしか 思えなかった・・

その後お父さんは死んでしまった
タイミングは悪すぎたいっそ・・どうせこうなる運命だったなら約束をする前に起こってほしかった
いきなり・
お父さんの軽自動車に大型のワゴンがよろけながら突っ込んできた・・飲酒運転だった・・ お父さんは衝突する
瞬間に反射的に
車の運転席の方をワゴン車に向けた
つまり 私の盾になったのだ・・ おかげで私は奇跡的に傷一つなかった・・
だけど私はお父さんが私の盾になった瞬間をみてしまった・・
「お父さん・・うそ・・
お願い・・起きて・・よ?」
みるみるお父さんの体は冷たくなった・・
「約束したのに・・
こんなのひどすぎるよ・・」
ただ目の前の出来事が 信じれなかった・・
するといきなり冷たくなりつつあるお父さんが私に倒れかかってきた・・
同時に生温かい感覚・・が私を襲った・・
私の腕に血がついていた・・
お父さんの体は重くて私は下敷きになった・・「ぁっぅっ」
私の体が固まった・・
正確には心も・・
現実を認めたくない心と同時に
体がその現実を感じていた・・
「っ−−−」
私はパニックのあまり気絶した・・



『心の檻』
「あっ・・」
いきなり現実に戻ったいつも夢はあそこで
途切れる、
「寝ないようにしてたのに・・」
顔に手をあてると涙にふれた・・また泣いてしまったようだ・・
お父さんが死んで二週間・・私は未だに信じられなかった・・
普段は大丈夫だが・・
時々無性に悲しい気持ちになり・・涙がこぼれ落ちている時がある・・
心に穴があくとはよくいったものだ


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