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シスコン
【コメディ 恋愛小説】

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シスコン『第三章』-4

「よろしく、幾間千里君っ?」
千里は姉貴の左手を握った。
「よろしく、四世春夏さん。」
なんか千里の顔が歪んでるぞ?姉貴の顔はなんか力入ってる感じ。
………まさか。
「おい、姉貴っ。初対面でなに喧嘩売ってんだ?」
握ってんな?思いっきり。
「ふんっ!!この子は秋冬の人生を大きく変えたのよ!!よろず部なんかに……秋冬を…………!!!」
姉貴はブンッと千里の手を離した。
「行こっ!!梓!」
「ご………ごめんねっ。」
二人はオレ達を通り過ぎていく。
「あっ………そうだ秋冬!!」
オレは振り返る。姉貴がこちらに指をさした。
「近いうちに、ビックリさせてあげるわ。見てなさいっ!!!」
姉貴は高笑いしながら消えた。

……なんでオレはあんなんが好きなんだ!?

「……元気なお姉さんだね。」
千里がつぶやいた。
「あ、…あぁ、悪いな。あんな姉で……。」
千里はクスクス笑っている。
「でも、なんか秋冬君……楽しそうだったよ…?」
楽しそう?そうか……楽しそうか。
オレ達は止まっていた足を、再び動かした。




家に帰って、姉貴がいたので、まず一番にこう言った。
「アホ姉貴。往生しやがれ。」
姉貴は飯を食っていた。まだ六時だぞ…?
「な………なによいきなり!」
オレも姉貴の向かいに座る。
「千里になんて事言ってくれたんだ。」
姉貴の箸を持つ手が止まった。
「………つい。」
「………つい。じゃねぇ。」
『ガチャッ』
「あら、おかえり秋冬。」
「ただいま。」
母さんが洗濯物を持ってきた。
「はい、これ持って行きなさいね。」
「はいよ。」
オレは洗濯物を持って自分の部屋に向かう。
「そういえば、」
「………?」
姉貴が何か言いはじめた。
「あんたの部屋、当分見てないわね。……五年くらい?」
あぁ、そういえば、五年くらいオレの部屋に姉貴は入ってないな。
入らなくてもいいが。
「そうだな。これからも入る事はないだろうな。」
姉貴の舌打ちが聞こえた気がした。





「ふぅ。」
『ドサッ』
オレはベッドに寝転がる。洗濯物は床に放置した。
「はぁ〜〜っ。」
正直疲れた。明日も二試合あるのか。
「………ま、たまの運動もいいか。」
オレは着替えて一階に降りた。


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