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シスコン
【コメディ 恋愛小説】

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シスコン『第三章』-5

「あぁうまかった。」
晩飯を食べて、お茶を飲む。姉貴はデザートを食べている。苺大福らしい。
「姉貴、一つくれ。」
苺大福はあと二つある。オレも食べたくなってきた。
「………ん。」
食いかけの一つを渡してきやがった。せめて食ってないやつくれよ。
まぁ文句は言うまい。
「さんきゅ。」
あぁ、甘いな。
「どーよ、可愛いお姉ちゃんと間接キッスの味は。」
「んが。」
………いきなり何を言い出すんだこやつは!?動揺してしまうがな!!
やばいやばい、キャラ変わってる。
「どーよと言われてもな。」
冷静さを取り戻せ。いつか言われた『石膏像みたいな表情』を再現だ!(実際今でも理解できないのだが。)
「ふーん、………最近秋冬……冷たいね。」
……まぁ、数年前から軽く避けてるしな。
「そーか?」
「うん。」
「「…………」」
嫌な静寂。なんで母さんはいないんだよ。
「「……………」」
沈黙は続く。なんだ?この嫌な感じは?
「……秋冬、何かあったの?」
無い。………いや、数年前からあんたの事で悩んでんだがな?
だけど言ったってしょうがない。ここはつーんと素通りだ。
「何も。考え過ぎじゃねぇの?」
双子の会話とは思えねぇな。
「………風呂入ってくる。」
オレは逃げた。





翌日のクラスマッチの結果から言おうか。
我が一年五組のAチームは優勝。姉貴もちゃっかり優勝してる。
まぁ……よかったんだが…その後がよくなかった。
「はい、表彰しまーす。」
なんか『脱力系の表彰式』とか銘打って、千里はぐだぐだと表彰式を行う。
しかも誰も話を聞いていないという、これ以上ない放任主義。
これでいいのか春日高校。
実権はよろず部及び千里が握っている気がする。


そして、放課後の悲劇。

「秋冬君、進入部員だよ!!!」
千里がはしゃいでいる。まぁ数日中に二人目だからな。
「しかも秋冬君のよく知ってる人だよ!!」
はぁ?
『ガララララ』
「こんにちは〜、進入部員のぉ………、」
う……嘘だろ!?
「四世春夏でぇす。」
よく知ってる人どころか………


姉貴じゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!


姉貴はニヤニヤ笑ってやがる。千里もノってる。目茶苦茶じゃねぇか!!姉貴は陸上部をやめたのか!?


もう一度、声を大にして言おう。


これでいいのか春日高校!?


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