fantasy ability・4‐崩れだす日常‐-10
「‥‥梛、私から話すわ。‥‥イメージマテリアライズについて。別名、幻想具現化。」
「何で、知っているの?それも!」
「‥光さん?私は、天界にいた頃は、まとめ役だったのよ。‥‥‥知っている理由は、幻想具現化の力は“天神”家が、代々受け継ぎ、必要がある時は天界にいる“神”に分け与える。だから、あの時に“凰輝”に教えてあげた。‥私自身も使えるわ。こんな風に、‥‥イメージマテリアライズ!」
織音の両手に、長剣が握られていた。
「私のは、天真の双剣。‥‥いずれは皇、貴方も使えるわ、‥幻想の力、魔法もね。貴方が、何者かは、その時に知ることが出来ればいいけど、そう簡単にいかないわ。‥‥‥“記録”が、つまり“過去”を知らないから。」
「‥‥今は言えないだろう。どうせ。」
「‥‥ええ。一ヶ月後の判断を期待しているわ。」
「‥‥‥部屋に行っていいですか?」
「‥‥いいわよ。私も行っていいかしら?」
「ここに、‥‥俺の部屋に居るつもりか。」
「‥‥勘だけは、天才ね。いいかしら、梛?」
「もちろん、いいですよ。では、別の「必要ないわ。皇は気が付いたみたいけどね。‥‥隣って、空いている筈よね?」
「‥‥まさか!ダメですよ!そんな事!」
「何で?私が居た方がいいでしょう?反論があったら、聞くけど?」
‥‥誠慈さんがとんでもない事を言った。
「‥‥俺ともう一度、戦って下さい。勝ったら、好き勝手にしてください。‥‥それでいいですか、母さん?」
「‥‥もう!わかったわ。‥‥織音様、誠慈と戦ってあげてください。」
「いいけど、‥また昔みたいに、負けても知らないわよ?」
「あの頃とは、違います!絶対に勝つ!」
「そう?じゃあ、中庭で戦いましょう。」
‐午後六時、神城家の中庭‐
すっかり、陽(ひ)が傾き始め、世界はセピア色に染まっていた。誠慈さんと織音が対立する中、部外者の俺達は周りで皆、無言で見ている。‥織音が喋った。
「‥‥ルールは何?」
「‥‥幻想具現化、及び幻想の力を使って、相手にギブアップっと、言わせた方が勝ちです。」
「解ったわ。それから、貴方が五分間もったら、それでも勝ちでいいわよ。」
「舐めるな!絶対にギブアップっと言わせてみせる!」
「あら?強気ね♪‥‥皇、合図お願い。」
「‥‥ready fight!」
と言った瞬間、誠慈さんが仕掛けた。
「イメージマテリアライズ!来い!天真の宝剣!」
誠慈さんの右手に、長剣が現れた。
〈ヒュン!‥ブォン!〉
鋭い振り払いだが、織音は一回も、当たらない所か、‥踊ってる?
「どうしたの?当たらないと意味無いわよ?‥あはは♪‥楽しいわね?」
「くっ!この!‥‥はぁはぁ‥‥」
完全に弄(もてあそ)ばれてる‥‥