シスコン『第二章』-3
翌日。朝
「おい四世!」
オレは廊下で歩いていた。すると、先生に呼び止められた。
「部活入部届出したか?」
ニッコリと笑って言ってきやがる。
「いえ……まだ書いてなくて。」
「ちっ……。」
ん……?今…舌打ちしなかったか?
「……まぁいい。今日中だからな。」
先生はどこかに行った。オレは教室に向かって歩く。
「秋冬君〜!」
オレは後ろを見た。
「おはよっ。」
千里だ。
「おはよう。」
うん、やっぱこいつ小さい。
「部活どうするの………?」
千里はいきなり、今のオレの悩みの種に触れた。……やっぱり言ったほうがいいよな。
「……ごめん。よろず部は無理だ。」
「そっか。」
「……え?」
まるで、予想していたかのようだった。
「なんとなく……そんな気がしてた。」
オレは、胸を締め付けられているような感じに陥った。
こんなにも辛そうに、オレの言葉を、受け止めている。
オレは………これでいいのか?
何故悩んでいる?
姉貴の為……?
周りの目……?
オレは……人に左右されるのか?
「………いや、やっぱり…よろず部に入るよ…。」
千里は、驚いたようだ。オレを見つめている。
「……ほんと?」
「あぁ、オレは…自分の意思で決める。」
千里は笑った。オレが見た中で、一番の笑顔だった。