Boyfriend−Aika−-5
「佐々井さん?」
誰かがアタシの名前を呼んだ。
あぁ、この人は…
「佐々井さん、具合でも悪いの?大丈夫?」
心配そうにアタシの顔を覗き込む。
「大丈夫。ただ…疲れただけ」
「そっか。何かあったらすぐ言ってね?」
「優しいね」
アタシはうっすら笑って言う。
その人は俯いて、しばらくして言った。
「優しくないよ。…ただ佐々井さんが好きなだけ」
アタシはこの人の大事なこの言葉を冷静に聞いていた。
この人はアタシを楽にしてくれるのだろうか?
この人ならアタシを幸せにしてくれるだろうか?
そんな事をただ、考えていた。