Boyfriend−Aika−-2
片瀬、そろそろやばいんじゃない?
それにしても片瀬がサボる時間は決まって英語だ。
…まぁ、どうでもいいけどね。
「おい、聞いてんのか?佐々井藍華」
考え事してる時に限ってさされるアタシ。
う…みんなの視線が痛い…。
「聞いてない奴は置いてくからな」
じゃあ放っておいてよ。アタシは先生を無視して携帯を開く。
授業聞く気が完全に失せた。
携帯にはメールが一通きていた。
相手は…宮下だ。
別れたくない、と一言。
原因は自分だろうが。
私だって出来る事なら別れたくなかったよ…。
「ねぇ、知ってる?今日宮下くん休みらしいよ」
ふと後ろの席から話し声が聞こえた。
宮下が休み?
なんでっ?
「あぁ〜、知ってる!フラれたショックで休むとかまじウケるし」
えっ、まじで?
アタシは耳を後ろに集中させた。
こういうのを盗み聞きって言うんだよね。
「でもさ、宮下くんに佐々井さんってぶっちゃけ納得できない」
アタシに聞こえないように声を落として言ってるんだろうけど…
聞こえてるっての。
「あぁ〜分かる!佐々井さんキレイだもんね」
キレイ?
ちょっと嬉しくなるアタシ。
「そうそう!確かに宮下くんもカッコイイけどさぁ、金髪で腰パンしてていかにもだらしなぁい人が、黒髪ストレートでスタイル抜群のキレイ系の佐々井さんって…有り得ないよね」
う〜ん、複雑…。
スタイル抜群とか嬉しいけど…まぁ、日々努力してるしね。
てゆーか、それより、宮下ってそんなダメ?
アタシはあのいい加減さが好きなんだけど。
後ろの席の彼女達はまだなんか話してたけど、アタシは脳内をメールに戻した。
今すぐ会いに来てくれたら許してあげる
宮下にそう返信した。
返信してから彼女達の会話にまた脳内を戻した。