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銀の羊の数え歌
【純愛 恋愛小説】

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銀の羊の数え歌−最終回−-5

柊由良。
そういえば、彼女と出会ったのも、一年前の、桜がこんなふうに満開の季節だった。
濡れたような大きな瞳。
形のいい鼻や唇。
ちょっと先の尖った小さな耳。
肩まであるさらさらした栗色の髪の毛。
そして、目に痛いほど白くて、きれいな肌。 愛らしさあふれる彼女の全てを、子供のようなかん高い笑い声も込みで、僕はいつでも簡単に記憶の底から引き出すことが出来る。
藍斗センセ。
そう言って笑う彼女の笑顔を、つい思い出してしまって、鼻の奥が、つんと痺れた。
こみあげてくる衝動を、熱い息をゆるゆると吐き出してやりすごすと、僕はきびすを返して、再び走りだしていた。


ねぇ、藍斗センセ。
私。楽しいよ。嬉しいよ。
大好きな藍斗センセがそばにいてくれて、私とお話しをしてくれるだけで、それだけで、とってもいい日になるよ。
銀の羊さんもいっぱい数えられる。
ありがとう。藍斗センセ。


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