しにがみハート#5.5-4
「連れてきてくれて、ありがとうございました」
「まぁ、それなりに楽しかったからなー♪」
「ジェットコースターじゃ臆病者でしたけどねー♪」
「うるせー…」
やっぱり…俺は優位に立てないんだろうか…?
「しかしまぁ…血を見て倒れるなんて…さすが私」
「さすがじゃねぇよ!!!克服すべき点だろ!!」
「…そろそろ、帰りましょうか〜」
「ん。行くかー」
そう言って立ち上がる。
「行くぞ?絢芽」
「…おんぶお願いします…」
「…は?」
「ちょっとですね…まだ立てなくてですね…」
「…なるほど」
俺の背中に絢芽がのる。
思った以上に軽い。よくこんな身体であんなに強いパンチが出せるよ…。
「孝紀さんの背中、安心できます…」
「ん〜?ありがとう」
「あ♪」
「ん?」
「お土産買いませんか?」
ちょうど前方におみやげ店があった。夕方なせいなのか、帰りにお土産を買い求める客がいっぱいだ。
「ペアネックレスが欲しいです♪」
「何のネックレスが良い?」
ネックレスには、ハートや弓、なにやらメダルっぽいのもある。
「ハート…が良いです!!」
「お、わかった!」
理人達のお土産とともに、ピンクのハートのネックレスを二つ、購入。
「うわ…綺麗ー」
俺の背中で喜びの声を上げる絢芽。
そういえば…俺達の間じゃ初のペアものだしな。相当嬉しいんだろ。
「…ねぇ孝紀さん?」
「ん?」
「…ずっと一緒ですからね」
「あたり前だろー」
「…よかった…」
なんでこんなことを聞くのか分からないが、絢芽は絢芽なりに心配なんだろう。
「なぁ絢芽?」
「………」
「絢芽?」
「………すぅ」
「また寝たのか!!!」
この後おんぶのまま家まで帰り、翌日筋肉痛で動けなかったのは、また別の機会に…
続く。