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女子大生妙子の就活日記〜島で見つけたモノ〜
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女子大生妙子の就活日記〜島で見つけたモノ〜-2

出立当日。
お気に入りのピンクのワンピースにデニムのジャケットを羽織り、
古着屋でみつけた帽子を身につけ、電車に乗る。
心細さも車窓からの景色が癒してくれた。
きれいな田園風景が広がった。
気持ち良さそうに風にゆれている。

電車から降りてみるともう海が目の前だった。
潮の香りもなんだか今までのストレスを洗い流してくれるみたい。

そこから船で1時間半。
あいにくの湿気で船が揺れる。
船はやっぱ苦手だ。
吐き気でせっかくの旅も台無しだと悲嘆にくれながらも島に辿り着く。

初上陸。

船酔いも引いてきて元気を取り戻した。

着いてから島内を散策しながら歩くこと30分。

いきなり最初のトラブル発生。
泊まる民宿が見つからない。
若海荘。

そんな看板ないじゃん。
うろうろしていると
気さくなおじさんが私に近づいてきた。
「どうしたんダぁ?」
この助け船を逃すまいと必死に事情を説明した。
「あぁ。それならねぇちゃんの目の前だでや。」
とおじさんはにこやかに指差した。
指先が指す方向には気の看板で確かに
『若海荘』と書いてあった。
おじさんにお礼を言って若海荘に入った。

そこは実家を思い出すような佇まいでとても落ち着いた。
二階に上がり、案内された畳の部屋に荷物を置いて
大の字に寝っ転がる。

ぷはぁー

と今まで溜め込んでいたモヤモヤを吐き出してみた。
気持ちいい!

旦那さんも女将さんも気の好い人たちでよかった。

夕食は6時。
まだ時間があるから散歩に出かける。
すれ違う人みんながあいさつをしてくれる。
私も照れながら返す。
海を見つめながら、ふと就活中だったことを思い出しため息をついた。

そうだった…就活も終わらないのに私ってこんなのんきでいいのかしら?

少し自己嫌悪を感じながらも、いい気分転換になると自分に言い聞かせた。

夕焼けが海を染めて、とてもきれいだった。
少し切ない気持ちにさせた。
この一人旅が私を変えてくれそうな予感がした。

民宿に帰ると美味しそうな匂い。
海の幸盛り沢山の家庭的な料理が待っていた。
瓶ビールを飲みながら網焼きサザエを食べて幸せなひと時。

今日は熟睡できそうだ。

サザエを穿りながらうれしく思った。


朝いつもよりも早く目が醒めた。
旅の興奮のせいかわからないけど、朝日がきれいだった。
涼しくツンと肌に感じる風が気持ちよく、歯を磨いて外に出る。

また眠った島。

普段なら車のラッシュで慌ただしい気持ちになるのに、なんて静かなんだろう。
この静寂が癒してくれた。
釣りなんてしたことなかったけど、レンタルして堤防に腰掛けた。


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