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迷惑メール
【ミステリー その他小説】

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迷惑メール-3

  その日の夜、昨日のメールのことを考えていた。記事によると先輩が行方不明になったのは5日前で、死体が見つかったのが昨日の深夜だそうだ。原因は、自殺で柏原ダムに車で飛び込んだようだ。ひょっとするとあのメールは先輩の遺言だったのではないか?などと考えていた。
ティロリラーパラリルラー♪、、、携帯がなった。嵯峨野かと思い、携帯を見た。しかし、差出人は嵯峨野ではなかった。

 From:長谷川 冴子先輩

 「昨日は、いきなり変なこと聞いてごめんね。でもやっぱり聞いと」
 
 え?メールを開いてみた。

 「 昨日は、いきなり変なこと聞いてごめんね。でもやっぱり聞いとかないと私、いてもたってもいられなくて。ねえ、私のこと

        どう 思う?                             
  「ひっ!!!」携帯を投げ捨てた。「そうだ、嵯峨野。」嵯峨野に電話を掛けることにした。携帯は、怖くて使えない。家の電話から嵯峨野の家へと電話を掛けた。
  「はい、嵯峨野です。」「あ!俺だ。浩二!い、い、い、い、い、い今せ、せせっせせせせ先輩からメールが来たんだ!」「…。」「な、なあ。俺どうすればいいんだよ!どうすればいいんだよ!」「…。」
プツッ、電話は切られた。電話口にはツーツーという音が無常にも響き渡った。答えるはずの無い電話口にどうしたらどうしたらとつぶやき続けた。

  次の日の朝、長谷川の家から告別式があるとの通知がきた。参加したくなかったがお世話になったのだからと親に言われ、参加することになった。
  告別式の会場には嵯峨野もいた。嵯峨野は、こちらをチラリと見たが、すぐにどこかへ立ち去ってしまった。俺は、焼香をするために先輩の棺の前へ向かった。写真の先輩は、笑っていた。「私のこと どう思う?、ねえ ド ウ オ モ ウ ? 」写真の先輩から声がした。無論、幻聴であるが、今の俺にはその区別はできなかった。焼香を手早く済ませた俺は、その場から逃げるように立ち去った。
  出口に、長谷川京子がいた。長谷川京子は、普段は下ろしている髪をしっかりと束ねていた。いつもの幽霊京子とはまったくの別人で、眼鏡がなければなかなかの美少女だ。「あの、山本くん?」俺は、急に話しかけられドキリとした。「な、なんだよ。」「あの、姉さんのことで、あの、話したいことが。あの姉さんは、…」「先輩のことは、話さないでくれ!たのむ!」俺は、長谷川京子の言葉を遮るようにその場から逃げ出した。家に帰ると、貰った『お清めの塩』を体と部屋中に、そしてとくに携帯電話に振りかけた。布団にもぐりこんでいると、母親が名前呼んでいることに気がついた。「こうちゃん?お客さんよ。」嵯峨野か!布団から飛び出ると、俺は玄関へと向かった。そこには、嵯峨野の姿はなく、代わりに長谷川京子がいた。「なんだよ。」うつむいてばかりで何もいわない長谷川京子にイライラした。なにより、長谷川の名前が気に食わない。「用がないなら帰れよ!」ドアを閉めようとした。「姉さんのメール見てほしいの!」この言葉に、俺の体は硬直した。メールのことを知っている?嵯峨野から見放された俺は、相談相手がほしかったのだ。「あがれよ。」俺は、長谷川京子を自室へ招きいれた。


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