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『honey』
【若奥さん 官能小説】

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『honey』-1

結婚して三年、旦那とももうドキドキするようなときめきもなくなっていた。もともと勤めていた会社の先輩で、いい人だな〜と思う位で、何より30前でみんな友達も結婚しちゃってたから早く結婚したくてプロポーズ受けちゃったんだけど…実際やってみると主婦って退屈で。なかなかベビーも出来ないし、なにか楽しい事ないかなっていろいろ探してた。
そんな時、友達から聞いたのが[メル友サイト]。
「若い男の子とメールしたりすると楽しいわよ〜なんか自分が高校生に戻ったような気分になるし!」
と言われて早速アクセスしてみた。ホント気軽に…

沢山のメッセージの並ぶ伝言板。名前、年、ひとこと…ふぅん…こんななんだ…
画面をスクロールして一つ一つチェックする。
「ん?」
一つのメッセージが気になった。この子とメールしたいかな…
<りょう/20才/男/東京/Mの大ファンです。メールでMの曲の事たくさん話しましょう>

Mの大ファンだった私は、そのメッセージとエッチっぽくない所に安心してメールを送信した。
<史(ふみ)です。千葉に住んでます。私もM大好きです。良かったらメールしませんか?>
30分後に私の携帯のメール着信音が鳴った。私はドキドキしながら携帯を開いてメールボタンを押した。
(来た!)
<りょうです。メールありがとう(^O^)Mの話、沢山しましょう。史さんはどの曲が好きですか?>

それから毎日メールのやりとりをした。好きな曲、アルバム…それ以外にも、もっともっと話をした。彼女に振られた話、大学の話、私が結婚して人妻だという事、旦那と上手くいっていない事…
お互い親密になればなるほど、恋しい気持ちが生まれて来るような、そんな錯覚に陥る自分に気付いていた。
(駄目、好きって思っちゃ…ただのメル友なんだから…)
話が深くなればなる程自分が少女の様に恋してる気持ちになっていく…

そんなある時だった。りょうからメールで、
<史、逢わない?こないだ話したDVD持っていくよ、見てほしいし>
と言われた。私はそのまま不安も抱かずに翌々日の昼に約束をしたのだった。初めてデートをするような気持ちで、当日愛車を走らせて彼の大学へ向かった。
約束の時間の5分前に大学の門の前に車を停めた。少しして、携帯のメール着信音が鳴った。
<史の車、紺のBM?>
<うん。りょうどこ?>
コンコン、と窓を叩く音。振り向くと170センチ位の頭をツンツンさせた今時の男の子が立っていた。
「はじめまして、かな?」
「こんにちは…」
私は緊張して上手く話せない。一回りも違うりょうが会話を切り出してくれる。
「隣、乗っていい?」
「うん」
「暫く真っ直ぐ走ってくれる?」
車に乗り込んだ
りょうの指示に従って車を走らせる。
「史、年上に見えないね。俺の思ってた通りだ…」
「そう?同級生と比べたらおばちゃんでしょう?」
「そんなことないよ、全然!ほんと思ってた通りだ、凄いタイプだよ」
「えっ…?」

恥ずかしくなるような台詞を言われてくすぐったい気持ちになった。それがサインだったとは全然気付かずに…

そのまま、部屋にDVDが置いてあるしお茶でもいれるからというりょうの言葉で、部屋に上がった。部屋はさっぱりと小綺麗な、ベッドとデスク、パソコンがあるだけのワンルームだった。
「ここでDVD見ていけば?コーヒーいれるから。」
「うん、そうしようかな…」
ベッドに寄り掛かり床に座り、パソコンのモニターに流れ始めたライブの映像を眺める。ミニキッチンからりょうがマグカップを二つ持ってきて私に一つ渡してくれる。
「こんなカップしかなくてごめんね、しかもインスタントだし」
「ううん、大丈夫よ」
「インスタントだから勝手にミルクと砂糖いれちゃったけど…」
「うん、いただくね」
私はカップに口を付けた。りょうは私が飲む所をじっと見つめている。
「あ、あまぁい!」
「ごめん!砂糖入れ過ぎちゃった?」
「うん、あ、大丈夫よ、飲めるわ。」
私は申し訳ないので半分位一気に飲み込んだ。
二人で並んでDVDを見ながら、曲の話等をしているうちに、私はなんだか急に頭がぼおっとしてきた。
「あれ…?」
やけに眠い、と考えているうちに何も考えられなくなっていった…


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