誘惑のシネマ〜由起夫と奈緒子-2
奈緒子>
『ねえっ、感じない?』
由起夫>
『感じちゃうよ!』
スクリーンに映し出された淫らな行為は二人の気分を高揚させ、
気が付くと奈緒子の右手が由起夫の股間にあてがわれ、その白い指先は膨らんだ由起夫のスラックスの上で蠢くように弄っていた…。
奈緒子>
『硬くなってる…』
由起夫>
『………んっ!』
まばらになった館内がセントラルヒーティングの暖気に覆われ始め、
うっすらと汗ばむ二人。
『ジッ、ジジジィジ…』
奈緒子の指先が由起夫の股間を被うスラックスのジッパーをゆっくりと引き下げていた。
由起夫>
『まっ不味いよっ!!』
奈緒子>
『大丈夫よ!気付かれないわ…』
解かれたジッパーから由起夫の膨らんだブリーフが顕れ、奈緒子の右手が上下にさ擦り続けると、みるみる誇大して行く様子がスクリーンの彩りに照らされ、回り灯籠のように浮かんでは消えを繰り返していた。
由起夫>
『うっっッ!』
閃光する快感に身を仰け反らせた由起夫に、
奈緒子の右手がバックルに手を掛けガチャガチャと忙しなく解きほぐしていた。
怒張した股間の陰影が浮き彫りになると、
奈緒子の手の平が由起夫のブリーフから忍び入り、硬く怒張した肉茎を捕らえると亀頭と竿の周囲をなぞるようにさ擦り続けていた…。
奈緒子>
『熱いねっ!』
由起夫>
『…う、うんっ!』
みるみる膨らむ由起夫の肉茎に奈緒子の指先から伝わる温もりが混ざり、熱を帯びて湿っていた。
極度の興奮を覚えた由起夫は周囲の視線を確認するかのように見渡すと、その左手を奈緒子が纏ったコートの合わせ目に潜らせ、閉じられた大腿部の隙間を分け入ると、
ザラッとしたナイロンの感触に触れ、
更に奥へと進めれば、きめ細かい柔肌の温もりを感じながら『ニュルッ』と滑る感触をその指先の中程までに感じていた。
『…つ、着けてない?』
驚きを隠せない由起夫が胸の中で呟くと、
奈緒子は艶めかしい黒のガータレスストッキングは着けているものの、
肝心なショーツは着けていなかった…。
驚愕する直樹の心を見限るように、
隣で笑みを浮かべる奈緒子はスプリングコートを結わえていたベルトを外し、その腰の辺りを左右にはだけさせた。