オマケ付きケータイ・バモくん-4
仕事を終え帰宅準備をしていると
タエちゃんが笑顔をふりまき近づいてきた。
「上原さん。よかったらこの後付き合っていただけませんか?」
ナニ〜!!
これはまさか…
デート!
と一人満面の笑みでオッケーしたのだが、
しかし
タエちゃんは相談をしたかっただけらしかった。
近くのファミレスに行きメニューを待つ。
「上原さん付き合わせちゃってごめんなさい。
実は彼のことで相談したかったんです…」
いつも元気なタエちゃんがそういえば今日は朝から元気がなかったなぁ。
「いいよ。僕でよかったら話聞くし、力になるから。」
親指を天井に突き出して
グーサインをした。
ちょっと古すぎたかな。
「ありがとうございます。実は彼が最近冷たいんですよ。
同棲してるんですが、留守が多いしケータイの電源が入っていない時も増えたし。
やっと連絡取れても仕事が忙しいからとしか言ってくれないんです。」
これって
まさか
彼氏浮気してるんじゃ?
鈍い僕でもすぐに辿り着く結論だった。
「他には?」僕は更に聞いてみた。
「ケータイをこっそり見たらケンジって名前からのメールばかりなんです。
内容は特に変わった点はないんですが、ケンジからのメールを何件か保護ってましたし。」
ケンジ?
偽名か?
ますます怪しい。
恋愛経験の少ない僕じゃ良い返答が出来ず、胡散臭いけどバモくんに頼ることにした。
慌ててトイレに駆け込み電源をONにした。
「おおきに〜」
相変わらずわけのわからない事をいいながら起動するなぁ。
「あんさんひどいがな。
電源落としてしもうたら、わて真っ暗怖いねん!」
少し怒り気味のバモくんに事情を説明した。
野次馬根性丸出しのバモくんは目を輝かせ
「そいつは事件やなぁ。
しかも憧れのタエちゃんからの頼みとはあんさん男の見せどきやないですのん。」
予想通りの返答。
「バモくんの機能でなんかいいのない?」
バモくんは頭をひねらせながらしばらく考えこんだ。
「エェのがありますよ〜。これ使えばイチコロやわ。」
バモくんが言うにはスーパー検索機能GOGULという、いかにもって感じの偵察機能があるらしい。
これを使うとケータイ同士で、その利用者の情報交換ができるという。
つまりはバモくんがタエちゃんの彼氏のケータイに直接アクセスして事情を聞き出すという前代未聞の機能だ。