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オマケ付きケータイ・バモくん
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オマケ付きケータイ・バモくん-3

ケータイをよく見たが、通話中でもなかった。 

誰かのイタズラにしては手がこんでいすぎる。 

「ほんとにケータイが話しているの?」 
少し躊躇いながら聞いてみた。 
この怪しく少し間違った関西弁を使うケータイに。 
「そうや。わては人工知能が組み込まれとるんや。
すごいおまけ機能やろ?」とケータイは自慢げに言う。 

「おまけっておまえ、ヒゲ剃り機能じゃん。」 
とわけのわからない返答をかえした。 

「わてはバモくんやで。あんさんよろしくなぁ。」

話しをまとめるとケータイの名前はバモくんといい、Drボムーという研究者が創ったらしい。 

話しもできるなら高性能に間違いない。 
僕はほくそ笑んだ。

「バモくん。君他にどんな機能があるの?
そしてキミの関西弁少しまちがってるよ!」 

興味津々、僕は聞いてみた。 
「プログラムミスやわ。やってもうた。」

少し残念そうにバモくんは言う。 

機能は話せることと、ヒゲ剃り機能があることだけは判明することができた。
車は急いで会社に向かった。 

一時間の遅刻。 
課長に朝から大目玉を食らった。 
はぁ〜今日はツイてないなぁ。とため息まじりにぼやいた。 
「上原さん今日はどうしたんですか?まさか朝寝坊ですか?」 
半笑いで同じ課のタエちゃんが僕に話し掛けてきた。前から気になってた子だ。 
僕は表情を一変させてタエちゃんの方を見ながら 
「ケータイがちょっとね…」
と答えた。 

きっとバモくんはニヤニヤしながらこの状況を見ているに違いない。 
この状況で何か言われたらまた厄介だ。 

僕はそそくさとトイレにむかった。 

トイレ内で鍵をしめバモくんを見た。 
案の定… 
「へぇ〜あんさんもやりますがな。なかなかえぇ趣味ですなぁ。まぁあちらさんは全然あんさんに興味持ってないようですけど。」

それは僕の胸にグサっと刺さったが、笑顔を繕いただの仕事仲間だよと説明した。 
「わてならこの恋成就できますけどなぁ…」

思わせ振りなバモくんの言葉に引き込まれそうになったが、今は仕事中。 
また仕事終わったらね。と電源をOFFにした。 

「ほなさいなら〜」
電源を切る時までうるさいケータイだなぁと苦笑して仕事場に戻った。  

そもそもタエちゃんにはカッコいい彼氏がいてラブラブだともっぱらの噂だし、こんな僕に勝ち目はなかった。


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