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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』
【学園物 官能小説】

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特進クラスの期末考査 『淫らな実験をレポートせよ』act.3-2

「俺は死なない」

目測3センチ。太刀川の言葉には煙草の匂いが絡み付いていた。

「人はいつか死ぬ」

噛み付きそうな言葉と表情。鼻先が、触れた。

「俺は死なない。お前も死なせない」

至って冷静に太刀川は言葉を紡いだ。そして…唇が重なった。
離れないように。
隙間も無く、唇が互い違いに重なる。
パズルのピースみたいに、ピッタリとはまる。

「ふぅっ、んっ」

舌同士も絡まり、今井は甘い声をあげる。たっぷり唾液を絡み合わせ、太刀川はゆっくりと唇を開放させた。

「キスしたくてするのは洋平だけだ」

太刀川は真剣に話すが今井はあまり聞いて無い様だ。いや、聞きたくても集中して聞けない、そんな様子だった。



act.3
 《俺達の世界》



「……最悪だ」
今井洋平は机に突っ伏し窓の外を眺めていた。

「今井君、そこ俺の席なんだけど…」
後ろで困った様に喋る、ヘタレの代表、アキバ系の清水が異義を唱えている。

「うっせー。清水のくせに喋るな。馬鹿がうつる」

酷い言い様に、クラスの女子がクスクスと笑っている。
「太刀川君、何とかしてくださいよぉ」
清水は、今井と言えば太刀川、と言われる程仲の良い、太刀川英一に助けを求めた。
にこやかに笑んで、太刀川は今井の背中に声を掛けた。

「洋平、昨日の事なら気にした方の負けだぜ?なんたって、ヒィヒィ言っ…」

……ゴスッ

言葉を途中で途切れさせ、太刀川は痛む額を押さえた。

ものの見事にクリーンヒット。足下には白と黒の斑点色のボールが転がっている。
そう、顔を真っ赤にした今井が、太刀川の頭にシュートしたのだ。

「し、至近距離で……」
クラクラする脳みそを落ち着かせ、こめかみに青筋を浮かべながら太刀川はユラリと立ち上がった。
一瞬にして教室内に緊張が走り、真夏であるにもかかわらず教室の空気は南極並みに冷えきっている。

勿論、元凶である今井も額に冷や汗をかき、じりじりと黒板側に後退していた。

「い…イライラには、カルシウムがいいんだってよ」

自分が逆上してしでかした事の大きさに気付き、何故か意味も解らない言葉を吐いて、今井はそのままドアまで後退した。
俯きながら接近する太刀川は、それはそれは烈火の如く怒っているのがオーラで解る。

「悪戯小僧には…」

「え?」

黙っていた太刀川がボソリと呟いたので、今井はつい後退を止めて聞き返してしまった。


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