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ある熟女の日々
【熟女/人妻 官能小説】

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薬局の前にて-1

 この方と逢うのはもう10回くらいにはなるでしょうか。紳士的でいろいろ気遣いもしていただける方なんです。今日も駅前で待ち合わせてホテルに向かいます。いくらか距離を置いて歩いていきます。前を行くお相手がふと立ち止まってこちらを見ます。

 「どうかなさったんですか?」
 「すみません。財布を忘れました…」

 ホテル代くらいならわたしの持ち合わせで大丈夫…そのことを伝えます。

 「それが、財布のほかに、その…飲み物やら何やらを入れたバッグを忘れてきまして…」

 そう言えば、いつも肩に掛けていらっしゃるバッグを今日はお持ちではないようです。

 「飲み物…ああ、いつも飲んでいらっしゃるドリンクのような…」 
 「ええ、ご覧になってましたか…。いやぁ、わたしとしたことが…すみません」
 「いえ、大丈夫です。あそこに薬局がありますからわたし買ってきますよ」
 「よろしいんですか? でも、淑女に買わせるのは忍びないな。大変恐縮ですけど、お金だけ貸していただければ自分で買ってきますので…」

 確かにお相手はホテルに入るといつも精力剤の小瓶を飲み干されていました。ホテル街の入り口の薬局で精力剤を買ってくるのはちょっとためらわれます。

 「では…」

 とりあえず一万円札を1枚お渡しします。

 「ありがとう。今日はこれでしのげます」

 お相手が薬局に入っていきすぐに茶色の紙袋を手にして出てきました。

 「お待たせ。今度必ずお返ししますので…」
 「いえ、お気になさらずに…。いつもお支払いしていただいていますから」
 「やっぱりあなたを行かせなくてよかったです。あそこの薬局の夫婦は善人ではあるんですがちょっと意地悪なところがあってね」
 「そうなんですか」
 「そうなんですよ。こんなところに店を構えていますからね。なんというか目が肥えているとでも言うのか…いろいろ冷やかされるんですよ」

 ホテル街の入り口だけあって精力剤のポスターが何枚も貼ってあります。お店の中を覗こうとしましたが、入り口のガラス戸にはフィルムでも貼ってあるようでよく見えません。

 「…まあ、ある意味行っていただきたいような気もなくはないんですがね…」

 お相手はそう言って苦笑いを浮かべています。

 「ああ、失礼。善は急げ、行きましょう」

 (善行をしているわけではないのに…)などと思うとちょっと可笑しい気持ちになりながら後についていきます。いつものホテルに入りお部屋に入ると、お相手は紙袋から茶色の小瓶を取り出していつものように飲み干します。小瓶のラベルには『赤まむし 極道』と書いてありました。

 (そんな名前だったのね…)

 そしていつものように事に及びます。

 「じゃ、そろそろ…」

 お相手が枕元の紙袋に手を伸ばします。

 (こんなにはちきれんばかりに漲っているのにまだ飲まないといけないのかしら?)

 お相手がガサゴソと取り出したのは箱。コンドームの箱でした。わたしはようやく気が付きます。そう言えば、このホテルにはコンドームがあらかじめ置かれていません。必要があればお部屋の中の小さな自販機で買うのです。そんなこともあってかお相手はいつもコンドームを持参されていたのだと。

 「お待たせ…」

 お相手が装着を終えてわたしに覆い被さり唇を重ねてきます。

 そんなことを何回か繰り返したでしょうか、いつものとおりわたしはお相手とのセックスを堪能しました。精力剤の効き目なのかどうかはわかりませんが、お薬など必要ないのではないかといつも思います。。


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