金木犀の誘惑-10
「部長、部屋までエスコートして下さいね!今夜の私、酔っ払いじゃ有りませんから…」
「君にはかなわないよ!」
トリッキーで予測不能な恵子の先取先攻に惑わされ、不思議とそんな恵子に惹かれている自分自身も、愛おしく思えてならなかった…。
バーラウンジの清算を済ませ、階下の部屋に向かうエレベーターに載り込むと、いつしか恵子の右手が大樹の左手を絡み取り、その閉ざされた空間を金木犀の香りが満たすと、大樹の種の本能を呼び起こし、そっと恵子の唇を塞いでいた…。
客室フロアーに降り立ち、予めリザーブされていたであろう、部屋に開け入ると、窓辺に向かい、立ち竦んだままの恵子を背後から抱きしめ、大樹の心に取り憑き、消えては現れを繰り返す香りを、そのうなじから嗅ぎとっていた…。
[愛欲]
「艶やかで甘い香りだね、君に良く似合ってる…」
恵子の耳元で呟くと、その香りが放たれる細いうなじに口づけし、耳朶を甘噛みしながら、その耳孔を生暖かい舌先で愛撫していた…。
恵子は窓辺に向けていた顔を大樹に傾けると、
ルージュで縁取った唇を大樹の唇で塞がれ、温かな舌先がその口咽に侵入すれば、貪り合うように絡め合っていた。
大樹は欲情を抑え切れず、恵子の躰をくるりと反転させると、再び唇を重ね合わせ、荒い鼻息を弾ませ、忙しなくブラウスの釦を外していた…。
露わになったブラジャーの留め金を外し、休む事なく膝上丈のスカートを床下に脱がせると、恵子の姿態はショーツ一枚の姿を呈し、抱きかかえられるまま、クィーンサイズのベッドへ横たえられると、シースルーのショーツ姿は、ルームスタンドの仄かな明かりに灯され、妖しい輝きを放っていた。
悩ましい恵子の肢体に見とれながら、着衣を脱ぎ捨て、一糸一枚纏わぬ大樹が覆い被さると、その舌先が首筋から胸元を徘徊し、たわわな乳房を左手で揉みしだきながら、隆起した乳首を器用な舌先で転がすと、大樹の右手がショーツ越しの蜜壺を弄り始め、その中央に滲み入る染みの痕跡が大きく広がりを見せると、スルリと足元まで脱がされていた…。
「シ、シャワーを…」
「部、部長…あんっ!」
「構わないよ!ありのままの君を感じたいんだ…」
「ヌチュ、ヌチュ…」
濡れそぶる蜜壺を被う肉襞に、大樹の右手中指が挿しいれられ、淫靡な音色を奏でながら上下になぞりあげると、その大小の陰唇はプックリと開き始め、膣孔の中をその指で掻き廻されると、快感を堪えていた恵子から、淫らな喘ぎ声が放たれていたいた…。
「あぁぁ〜っ!」
「いっ、いぃ〜っ…」
大樹は、恵子と互い違いに重なり合うと、その体制を反転させ、顔面間直に晒された蜜壺を両手の指先で押し開き、延びをした舌先を大小の陰唇へ這わせ、下から上へ、なぞるように舐めあげれば、いつしかそれは肛門の蕾に迄達していた…。