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人妻奈岐
【熟女/人妻 官能小説】

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亮の逡巡と奈岐-1

 デートの後、またお礼のメールが奈岐から来た。チャットではチャット後にお金をもらう女性の方からお礼のメールが来るのが普通だ。ただ奈岐としてはかならずまた亮に逢いたいという気持ちを込めてメールをした。
 その気持ちは亮にも伝わり、もちろん亮も逢いたいことに変わりなくすぐにメールを返しておいた。
 メールのやり取りをしながら一週間が過ぎていくということになるが、その後奈岐からメール返しが無かった。仕事が忙しかったからだろう、金曜日の夜に返しが来ていた。

 なにか、亮の気持ちに不安が出て来ていた。恋しているとき、若いときはそういう不安がよくある、その種の不安かもしれなかった。なぜかうまく気持ちを整理できず、奈岐への再度のメールをすることが出来なかった。
 その不安はなんなのだろう、かつて若いころあった不安とは何かが違っていたかもしれない。
 奈岐は、亮とのチャット以外にも土日の両日の半日ほどでかなりの相手をしていた。それはおそらく亮のように愛し合うこともあるだろうと思われた。当たり前だ、それがチャットというものである。誰が止めることが出来よう、奈岐にしてみれば収入も目的であり、たくさんの男の中から良い男と巡り逢いたいということだ、当然のことではないか。
 亮は自分が本気になっていることを自覚していた。しかし自覚すればするほど、奈岐が他の男にチャットで抱かれることを想像するとどうしようもない嫌な気持ちになってくる。これは紛れもない嫉妬だった。
 自分でも嫌気がさしてきていた。それはそうだろう、嫉妬したところでそもそも奈岐は人の妻であり、自分のモノにできるわけでもなかったし、自分にしたところで長く苦楽を共にした妻や子供たちもいる。当たり前のことを嫉妬するなんて自分が嫌になった。そういう状態でメールを返してもろくなモノにはならないだろう。
 でも、奈岐のことが頭から離れない、胸が疼く、痛い、、、、、どうしたにしてもよしんば一度直接逢えたとしてもいつかはそうなる、そういうことなのだ、、、、、ああ、いっそ止めてしまおう、それがいい、そうしよう、、、、

 かつて、亮には二十代の頃、恋焦がれたヒトがいた。五年もの間恋焦がれつづけ、その三年目を過ぎたくらいにやっとデートに誘えたはいいが、何も言うことが出来なかった。何も伝えることができなかった。相手にとっても何事が起きたかわからなかったのだろう、それっきりで亮がその後しばらく身もだえて続けたのちにその恋は終わった。本気で恋をしたとき、心がどうにもこうにも言うことを聞かず男はそうなってしまうことがある。
 そのときに似た気持ちが亮の胸を支配してきていたのかもしれなかった。

 亮は、そうしたほうがよいのだろう、この恋の行方は行き止まりだ、と観念し奈岐にメールを出した。
「『なぎちゃん、ごめんね』

なぎちゃん

りょうさんです。
今日も元気にインしてるようですね、良かったです。

なぎちゃん、ごめんなさい。
メールの返しもせずすみませんでした。
年甲斐もなくちょっと悩んじゃって、、、

なぎちゃんへの思いが募り過ぎていることに気付きました。
しばらく静かにいさせてもらいます。

なぎちゃんと逢ったりメールのやり取りをさせてもらったり、
素顔同士で逢ったりいるうちに
どうもぼくは本気でなぎちゃんを愛してしまったようです。
なぎちゃんへの思いが行き過ぎて、
矩を超えてしまったんだね。
嫉妬もするようになっちゃったし、
もっともっと特別になりたいっていう思いが出て来て
止めることが出来なくなっている自分に気付きました。
この上は、
なぎちゃんに迷惑をかけることになるし、
なぎちゃんに嫌われることも言うかもしれない。

しばらく時間を貰った方がいいと思いました。

勝手なことを言ってすみません。
もっとスマートに遊べるといいんだけどね。

笑ってください、こんな人なんです、ぼくは。

また少し気持ちが落ち着いたら、
逢いに行かせてください。
明るくエッチしましょう!!

それではまたね                           」


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