甘い同棲生活D-3
加奈子の指の動きが早くなる。
思わずスマートフォンを置いて、左手で口元を押さえながら、陰核を捏ね回す。
破裂しそうなほどに尖り、快感を求めている。
ーー下着の中で男が射精した場面で、加奈子もびくびくっ、と体を震わせて絶頂を迎えてしまった。
女の太ももを、白濁とした体液が滴る。先日の、理央の行為とリンクして、絶頂を迎えたはずなのに、そこがさらに快感を求めているのがわかる。
だが、加奈子は動画を止めて、耳からイヤフォンを外した。
テーブルの上のティッシュを数枚取り、自分の指とーー自慰が終わったあととなっては不快な、秘部にまとわりつく粘液を拭き取る。
(他のもあるみたいだから、気になるけど……今これ以上見たら、寝られなくなっちゃうよ)
何とか呼吸を整えようと、少しだけ残ったビールを飲み干した。
ーーもうこのまま寝てしまおうと、加奈子はキッチンの電気を消して、キッチンの側から和室へ向かった。
メガネを外して、布団に入ろうとしたとき、名前を呼ばれる。
「ーー加奈子」
廊下の側から和室のふすまが開く。理央だった。
「わ、びっくりした〜」
布団に潜り込む前で、加奈子は体を起こしている。
常夜灯の中で、メガネを外しているが、ゆらゆらと理央が近づいてきたのがわかった。
理央が布団の側でしゃがむと、彼もメガネを外す。
「降りてきたの気づかなかった。階段の音しなかったから。一緒に寝たくなっちゃったの?」
そう言い終えて、気づく。
(え。階段降りる音……しなかった?)
スリッパを履いて、階段を降りる音が普通ならするはずだ。
だが加奈子は先程まで、イヤフォンをーー
「嘘……もしかして……」
理央は加奈子の体を抱きしめて、布団を剥がし、布団の中にすっぽりと収まるようにしながら、加奈子の体を押し倒す。
加奈子の右手を押さえつけて、唇を奪うと、口腔内でめちゃくちゃに舌を動かす。
理央は興奮しきっていた。
「ん、……ぅ、んっ」
見られていたのだ。キッチンの、少し開いた引き戸の隙間から、加奈子が口元を押さえて絶頂に達する姿をーー
すぐさま、理央の手がショーツの中に入り込む。
秘部をティッシュで軽く拭きとっただけだ。
まだそこは、ぬるぬると濡れてしまっている。
「や、やだ、理央……! いきなり……っ」
いくら自慰をしていたからと言って、理央と性行為を行なうとは考えてもいなかったから、いきなり触れられたことに心が戸惑う。
だが、体は触って欲しいと言わんばかりに、理央の指を受け入れる。
「は、……ぁあっ」
中指をいきなり差し込まれて、卑猥なくぼみは悦んでいる。
理央の指はかなり乱暴だったにもかかわらず、だ。