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先輩のセカンドバージンは僕のもの
【熟女/人妻 官能小説】

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甘い同棲生活A-3

「なぁに?何かついてた?」

加奈子がジャケットの襟元あたりを触りながら、汚れでもついているのかと下を見る。

「違うよぉ、多分見とれてたんだよ〜。加奈子可愛いからっ」

「はいはい、佐藤くん、いい加減にしなさい。木綿子ちゃん困るでしょ」

「むぅ、僕は心配なんですよぉ?加奈子、男の人からも、女の人からも好かれるから」

隼人と、佳織のことを想像しながら言ったのだろう。
理央がぐるっと後ろを向いて、加奈子に笑いかける。

「ん……木綿子ちゃんの前でやめなさい」

恥ずかしそうに、シンクに手を付きながら加奈子が言う。
「そんなことはない」と言わないところを見ると、その話は本当なのだろうと、木綿子はどぎまぎしてしまう。

しばらしくして、トレーに乗せたコーヒーを三つ、持ってきてくれた。

「加奈子、僕のよこっ」

「はいはい。柚木でも、もう言わないわよ?」

苦笑しながら加奈子は、二人がけになった椅子に座る理央の横に腰掛けた。

休みの日の午前中にもかかわらず、職場の彼女と同じように顔に施されたメイク。
コーヒーを飲みながら、瞼を伏せた彼女を見ると、小さく見えるはずのメガネ越しにもかかわらず、かなり睫毛が長いことが木綿子には分かった。
加奈子がことっ、と音を立ててマグカップを置く。

「家だからって加奈子って呼ばないの。木綿子ちゃん、びっくりするでしょ」

「んぅ、だって、中村さんって呼ぶの面倒くさいもん。それに……昨日、遠月さん、加奈子が布団入ってきた時、起きてたでしょ?」

「え……」

木綿子が声を出すより先に、加奈子が声を出す。

にやり、と理央は笑った。
木綿子が顔を真っ赤にさせる。
目を覚ましているのがわかっていて、加奈子と一緒に寝たいと言い、キスをねだり、加奈子が情熱的なキスを施す場面をわざと聞かせたというのか。

「加奈子と仲良しの遠月さんなら、バレてもいいなって。僕が加奈子のこと、こんなに好きなこと」


ーー加奈子の舌……やば……い。


あれすらも、わざと、聞かせたというのか。

「バカ、もう知らない」

ぱこっ、と変な音がして、上を見あげると加奈子がグーの手で理央の頭を軽く叩いていた。

「聞かせるものじゃないでしょ」

そう言っているとはいえ、自分が情熱的に理央にキスをしているところを聞かれたはずなのに、思ったよりも加奈子の表情は怒っていない。
それ以上、理央には弁解すらもさせずに、加奈子は木綿子に話しかけた。

「ーー木綿子ちゃん、今日どうする?もう一日うちで過ごしてもらってもかまわないし、帰るなら、送るけども。もし居るなら、ご飯一緒に食べましょう」

「えっ、あ……いいんですか。ゆっくりさせてもらっても」

亨は、大学時代の友人と旅行に行っているということで、静岡にちょうどいなかった。
四十を過ぎているし、亨との付き合いも落ち着いたもので、毎週末ずっと一緒にいるわけではない。

「うん、もちろん」


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