ようやく掴んだ理想の未来-1
午前中、密かに夕梨花とヤッたと言うのに、昼食後、早くも性欲が我慢出来なくなった鉄平はCEO室に入り都姫に口でして貰おうとチャックを降ろそうとした瞬間、誰かがドアをノックした。鉄平は慌ててチャックを上げ、フェラしようと鉄平の足元に跪いた都姫は慌てて立ち上がり何ごともなかったように白々しく振る舞う。
「失礼します。」
そう言って入って来たのは彰と萌香だった。
「ど、どうしたの？」
都姫が聞くと、2人はどこらか照れ臭そうな様子を見せる。
「ちょっとお話が…」
「話？」
「はい…」
鉄平は空気を読み立ち去ろうとする。
「あ、じゃあ俺は…」
出て行こうとする鉄平を彰が引き留める。
「あ、鉄平さんも是非。」
「お、俺も？？」
「はい。」
鉄平は面食らっていた。
「じゃあ座ってゆっくり話を聞くわ？」
2人をソファに座らせる。対面して都姫と鉄平が座る。
畏まる彰と都姫。もしかして退社するのかと思い、少し不安になる。だが、2人からの話は意外なものであった。
「俺達、結婚します。」
「えっ！？」
全く予想外の話に都姫と鉄平は驚いた。
「実は…子供が出来てしまいまして…」
頭をかく彰。萌香も肩を竦めて恥ずかしそうにしている。
「ま、マジ！？」
さすがの鉄平も驚きを隠せなかった。
「で、でも彰…おまえちゃんとゴムつけてるって…」
「し、してるんですが、ただ、初めての時、してなくて…、その時に…へへへ」
頭をかく彰。だがよくよく考えた鉄平はさらに驚く。
「て、てか…、2人とも初めてだったんだろ？それで出来たって…、童貞と処女を失った時のセックスで妊娠したって事！？」
「ま、まぁ…」
「…お前ら…、何かスゲーな…。何か引くわ…」
「引くとか言わないで下さいよー！」
「あ、悪い悪い！いやいや、めでたいよ！ねー？CEO？？」
驚いて絶句していた都姫だが、ニコッと笑う。
「うん。おめでたい事だわ。この会社で出会って、愛を育んで結婚…、私、嬉しいよ！」
その言葉に彰と萌香はようやく満面の笑みを浮かべる。
「ありがとうございます！！」
祝福されたのが物凄く嬉しかった。特に萌香は不安で不安で仕方なかった為、よほど安心したのか、少し涙目になっていた。
「やるなー、彰！！」
肩をポンと叩く鉄平。
「へへへ」
照れる彰だが、鉄平のおかげで自分は変わり、そして萌香と付き合う事が出来たと思っている。言葉では足りないぐらいの感謝の気持ちを持っているのであった。