パートナーシップ-3
「じゃあ早速走りましょうか♪」
話しながらストレッチをしていた美羽に、体を動かす事が本当に好きなんだなと感じていた。実際好きなんだろう、引き締まったいいスタイルをしている。都姫もそんなにだらしないスタイルはしていないが美羽の無駄のない体についつい目を奪われてしまう。3人は並んでゆっくりと走り始めた。
「でも凄いですね。会社の中にランニングロードまであるなんて。」
野球場、サッカー場などスポーツ関係の施設が揃っており、ちょっとした運動公園のようだ。維持費も大変だろう。美羽の仕事への本気度が伺える。
「鉄平くん、大丈夫?昨日あれだけ激しく動いて♪」
「あ、全然平気ですよ?俺、タフなんで♪」
「みないね。ンフッ♪」
2人とも軽やかに気持ち良さそうに走っている。
(鉄平くんのあんなセックスされたら、そりゃあメロメロよね。一晩中ヤッたのかな。美羽さんの様子からすれば物凄く満足したんだろうな。)
昨夜の電話での鉄平の息遣いが頭から離れない。ハァハァ言いながら2人抱き合い熱い夜を過ごしたのかと思うと、何故か胸がモヤモヤした。
「都姫さんは普段走ったりするんですか?」
急に話しかけられドキッとした。
「少しですが、休日は朝30分ぐらい走るようにしてます。」
「そうなんですね♪」
美羽はニコッと笑った。
「CEO、走ってたんスか??」
初耳の鉄平は少し驚いた。
「い、一応ね。健康診断で良く運動不足を指摘されるから、休日ぐらいはと思って。」
「そうなんスねー。へー。」
意外そうに都姫を見た。
「ンフッ、息遣いとか走り方とか、全く走ってない人には見えないもん。ちゃんと型になってるし、普段走ってる人と走ってない人はすぐに見分けがつくし、それだけ見事なプロポーションしてるんだから、何もしてない訳ないですよ♪」
しっかり観察されていたようだ。美羽に嘘はつかないほうがいいと感じた。
「あと、時間がある時にはジムにも行ってます。」
その言葉に鉄平は驚いた。
「え?マジっスか??CEO、ジム行ってるんですか!?」
「た、たまによ。帰りが早い時に…」
見えない努力を知られたようで恥ずかしかった。
「だーかーらー、そんだけ見事なプロポーションしてるんだから、裏で努力してるってー!鉄平くん、女を見る目、まだまだね♪」
「ハハハ、ですねー。もっと良くCEOの事観察しなきゃ♪」
「や、やめて…」
顔を赤くする都姫を見て美羽は屈託のない笑顔で大きく笑った。