side 詩織 1-1
同日 放課後
詩織は句美子に話しかけようと
句美子が下駄箱にくるまで待ってると
句美子がやってきて
「どうしたの? しおりちゃん
そっちのクラスの方がはやかったのに
こんなところで」
「あ うん くみこちゃんに用事だったから」
「そうなのね 歩きながらでいい?」
「うん」
詩織と句美子は靴を履き替えると
自宅に向かいながら会話をはじめる
「用事って…えっちなこと?」
「うん 昨日 おさむくんに触られて
おまた濡れたこと」
「女の子もえっちなこと考えたり
さわられたりすると あーなるから病気じゃないよ」
「そうなのね 変な気分になったし
いっぱい おつゆがでちゃってたし
どういうことなのかって」
「そっか はじめてだったもんね」
「うん おまたさわられるなんて はじめてだったもん
でも、拒否したらおさむくんやめるでしょ?」
「あ うん そうだねぇ
すぐ足引っ込んでたね 昨日も」
「だから途中からはされるがままにされていたけど」
「いやだった?」
「いやじゃなかった 変な気分になってて…」
「これからもする?」
「したい…でも、いいのかなって
おさむくんはゆいちゃんとくみこちゃんが好きなんでしょ?」
「うん ゆいちゃんだね わたしも…というのは
間違ってないと思うけど」
「それで わたしやさゆりちゃんも入ると」
「難しい問題だよね もし
ゆいちゃんとわたしだけにしたいと言っても
ゆきちゃんやおばさんが納得しないから
それにゆいちゃんも正式な彼女になるつもりはないみたいだし」
「え? ゆきちゃんやおばさんが納得しないのは
なんとなく理解出来るけど
ゆいちゃんが彼女になるつもりないって
ゆいちゃん おさむくんのこと好きでしょ?」
「うん すきみたいだけど
将来のこと考えると彼女になる自信もないみたい」
「くみこちゃんは?」
「わたしは…どうだろう
おさむくん いつかは施設暮らしになるから
結婚は出来ないし彼女としていても
普通の恋人同士としての付き合いは出来ないだろうから」
「そう…施設って ここから遠いの?」
「どうだろう? わかんない」
「中学高校になって まだこの街にいてくれる
保証もないから…ということ?」
「少なくても 気楽に会えなくなるとは思う
でも、ゆいちゃんもそう言ってるけど
わたしも施設に面会はするつもりだから…」
「くみこちゃん おさむくんのことすきなのね」
「うん 好きだよ すきじゃなかったら
毎週通ってないもん えっちだって…そう」
「わたしも関わっていいの?」
「いいと思うよ わたしはゆきちゃんみたいに
やきもちからおさむくんをいじめたりしないから」
「え? ゆきちゃん そんなにひどいの?」
「うん ひどかった
バレンタインの時が1番酷かった」
「そ、そうなのね あと 明日は…」
「明日はさゆりちゃんがメインになると思うかな」
「そっか さゆりちゃんも…まだお口でできてないもんね」
「うん その練習になると思うけど
わたしはみてるだけになるけど
しおりちゃんはしたいんでしょ?」
「できたら…」
「その辺はさゆりちゃんと相談してね」
「うん わかった それと土曜日
わたし二人きりになる時間あるけどいいの?」
「わたしたちがお昼ご飯作ってる間ね」
「うん 1時間以上も」
「不安だったりする?」
「空書もまだ読み取るのがうまく出来ないし
ふたりきりでどうしたらいいのかわからない」
「そっか パソコンの画面の前で
メモ帳で会話になるかな」
「どういう会話すればいいのかわからなくて」
「話したいこと 聞きたいこと そんな感じでいいんじゃない?」
「そっか…おさむくんのことなにもしらないんだし
いろいろ聞けばいいのね」
「うん そう そろそろ家に着くけど
どうする?」
「よかったら くみこちゃんの家にいっていい?」
「うん」
こうして
詩織は句美子の家に句美子と一緒に行くのだった
草摩家 句美子の部屋
「しおりちゃん はい 飲み物」
「ありがと」
「くみこちゃんもさゆりちゃんも携帯」
「ちょっと 早い気がするけど持てるようになって
助かってるかな」
「携帯でなにしてるの?」
「今のところは調べ物とかLINEだけかな
ゲームとかはしないしLINE以外のSNSも
禁止と言われてるからしてない」
「そうなのね SNSしたいと思わない?」
「うーん ネットで知り合って…というのは危ないし
それに…おさむくんと連絡する手段としての
携帯欲しかったから」
「そうなんだ…いいなぁ
連絡手段あるのがうらやましい」
「やっぱり 連絡とれないと色々困るもんね」
「うん」
「ちょっとLINEしてみるね」