渚〜出会いの春〜-2
「ん……んん〜……あれ?寝てた?」
「気持ち良さそうにな」
「ああ〜、皆は…まだまってる?」
「先行かせたよ」
「良かった」
フッと突然電気がきれた
「キャッ!なになに!?」
「停電か?大丈夫だよ」
数秒で電気がついた
明るくなると目の前には俺の手を強く握った渚の顔があった
「あっ……偲……」
「……渚……」
「ご…ごめん!」
渚は手を離して背中をむけた
胸がドキドキした
俺は渚を好きになってしまったかもしれない
いや、好きなんだ
「………渚」
「な…なに?」
「こっちを向いてくれないか」
「え……あっ…うん」
俺は渚を見つめた
目と目が合い渚はなるべく目をそらしていた
「渚……俺……」
言おう
気持ちをぶつけよう
「……俺は……渚が好きだ」
沈黙が流れた
どちらも一言も喋らない
数分たって渚が沈黙を切り裂いた
「………グスッ」
「え……?」
「本当?」
「……当たり前だろ」
顔が熱くなるのを感じた
「………好き」
「………え?」
「私も……好き……」
渚は泣いていた
涙で溢れた瞳が俺の心をさらに揺さぶった