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先輩のセカンドバージンは僕のもの
【熟女/人妻 官能小説】

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佐久間亨の憂鬱Aー番外編-3

加奈子の言葉に、唇をぎゅっと結ぶ。
亨は泣いてしまいそうだった。

「ーー佐藤と……初めてした時は、その、どちらともなくって感じだったの」

「やだ、何でそんなこと、聞くのよ。親戚にそんなこと心配されるの嫌だって前に言ったでしょう」

加奈子が顔を赤らめて言う。

「俺も情けないこと懺悔したんだから、いいじゃん」

「ーーあたしからよ。お付き合いする前ね。あたしのほうがしたくなったの。
彼、ホントに紳士だと思う。ずっと仕事ばっかりしてて、お付き合いしてる人もいなかったなら目の前の男に甘えたくなるのも当然だからって、初めてそういう雰囲気になった時は、何もなかったの。確かに「天下のヤリチン」なんでしょうけど、ヤリチンたる所以は納得」

ケラケラと、加奈子は笑う。
加奈子の口からそんな言葉が出ることに亨は驚きつつも、本当に、理央の存在が彼女を変えたのだと思った。

「佐藤くんとお付き合いする前は、誰か男性とって思う余裕もなかったのが事実なんだけど、そういう欲求ってとても健全なことなのだと、天下のヤリチンが教えてくれたわけよね。もちろん二人のことだから秘め事ではあると思うけど、それが恥ずかしいことだとは思わないかな」

本当に合意だったのなら、そういう関係性もかまわないのではないか。そう加奈子に言われ、勝手にどきどきする。
遊んでいる自覚はあったものの、理央や隼人とは違い、どこか寂しいから女性が側にいて欲しい、という感覚が拭いきれなかった。
だからこそ、二人の女性に対する倫理観はあまり共感できなかった。
そして、清純だと思っていた加奈子もいつの間にかそちら側に行ってしまったらしい。

「……前に、たくさん遊んでた佐藤くんが、あたしに無茶してないかって心配してたでしょう?だから、そんな心配しなくて大丈夫だよ。むしろ、すごく気を遣ってもらってるから。おうちだと柚木もいるし。あたしの方が、佐藤くんが隣にいるとどきどきしちゃう」

ちゅぅっとストローでドリンクを吸いながら、メガネ越しに亨を見て、微笑む。目尻に寄る年齢相応のシワがセクシーだった。

今まで、彼女があまりに誠実で、彼女自身がそれを表すかのように清潔感を湛えているからこそ、憧れの対象だった。
それゆえに、あまり性的な面では意識をしたことがなかった。
男性を愛し、そのことをありのままに肯定する加奈子が、こんなにも女性として綺麗なのかとーー初めて思う。

「お、俺……。過干渉なことだけを指摘されたわけじゃなくて」

何を言おうとしてるのか、自分でも分からなかった。
だが、今なら言えると思ったし、言えるのは明日でもなく、もっと先でもなく、言えるのはーー今だけだと思った。

「遠月さんに、加奈ちゃんの横にいるのが佐藤じゃなくて、俺なら良かったのにって思わなかったのかって言われて」

「うん」

驚いた表情を一瞬見せたが、加奈子はドリンクの入ったグラスを置く。


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