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先輩のセカンドバージンは僕のもの
【熟女/人妻 官能小説】

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佐久間亨の憂鬱Aー番外編-4

「全然そんなこと、意識したこと無かったけどーーそもそも遠月さんが横にいて、ドキドキしてたのに、俺の気持ち、言葉にされたら、ダメだった。責任取ってよって言って、気づいたら抱きついてた。遠月さんに甘えた」

「うん」

加奈子は亨から目を逸らさずじっと目を見て、話を聞いている。

「ーーやじゃない?」

「嫌って、何で?」

「いとこにその、こんなこと……言われて」

「ふふ。今じゃなくて、もっと前に言われてたら、多分困ってた」

加奈子は髪の毛を留めているゴムをするり、と外した。
反対側の席にまで、シャンプーの匂いがふわり、と香る。
加奈子は恥ずかしそうに下を向いてゴムをいじっていたが、顔は微笑んでいた。

「そんなこと言われたら、亨くんと今まで通りの関係でいられる心の余裕がなかったと思う。余裕がなかったというか、今と、価値観がちがうのかな。前なら、気持ちに応えられないのに、男性に好かれて「嬉しい」って思っちゃう自分が嫌だったと思うから。
でもね。そういうのを「嬉しい」って思うこと、善悪で判断しなくていいんだよって佐藤くんが教えてくれたから。だから湧き上がった気持ちに対して、今は素直になれた、かも。
ーーあたしと柚木のこと、大事に思ってくれて、本当に嬉しいよ。ありがとう」








しばらく談笑したのち、加奈子を家まで送り届け、自宅に向かって運転する前にスマートフォンの画面を覗く。
いくつか連絡が来ており、そのひとつには、ーー木綿子からのものもあった。

どきん、と胸が高鳴る。

今の時刻は、二十時。連絡は十分ほど前だ。


《佐久間くん、良かったら飲まない?今、家にいて少し飲んでるところ》


ただ、それだけだった。
思わず、加奈子の家の前で木綿子に電話をかけた。


木綿子は既に酒を飲んでいて運転が出来ないし、木綿子の家ではもう一台車は停められない。
亨は下心もあって、自宅で飲まないかと提案した。
「泊まってもいい」と木綿子には一言添えて。

部屋は綺麗だったか思い出しながら、木綿子の家へ向かう。
家から出てきた木綿子は既にメイクを落としていて、少し度の入った丸メガネをかけている。
上下セットアップのグレーのパーカーに、細めのジョガーパンツを身にまとっていた。

木綿子が助手席に乗り込むと、少しアルコールの香りと、官能的な香水の匂いが香る。
加奈子には感じたことのない、既に寝た女に対する期待感。

「迎えにきてくれてありがとう」

「いえ。ちょうど、飯食ってて。帰りでした。お酒、家に適当にいくつかあると思うんで飲みましょう。……ってか、金曜日の相手、俺で良かったんですか?」

車を発進させながら、ちらり、と木綿子を見て言う。

「ん。真っ先に飲みたいなって思ったから連絡した。昨日もっと話したかったんだけど、今日仕事だったし」


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