シャッフルカード ソフト-7
バーベキューの会場は 俺たち以外の何組かの宿泊客ですでににぎわっていた。
俺たちも 炭を起こし いつものように楽しみはじめた。
煙たがったり 笑ったり 焼けてない野菜を噛んだり・・・。
さっきまで エッチなゲームをしていたとは思えないくらい普通だった。
が チカが 俺の服を引っ張って 話しかけてきた。
「ねぇ、やっぱりおまた すぅすぅするよ」
そうだった チカは ショーツをはいてないんだった・・・。
「おい!チカちゃん!今はアキラじゃなくて 俺がパートナーだろ」
シンヤが笑いながらチカの肩をポンポン叩く。
さっき6時担ったので またパートナーを変更したのだ。
リュウさん リエさん
シンヤ チカ
ユウヤ ユキ
俺と サトコ
とはいえ 外だし 食事だし
特別パートナーと何かすることはなさそうだ。
おまけに
みんなで火の周りやテーブルの周りをウロウロしているから
パートナーが変わったというより その関係がバラバラで自由な感じになっていた。
が やはり 変なことの火付け役は リュウさんだ。
「おい!しりとり忘れてないか?」
「覚えてたか・・・・」
サトコが溜息をつく。
「じゃあ、やってみようか・・・・・アキラからね」
俺は 少し考えて 最初の言葉を選んだ。
「しりとり から りんご!」
俺の第一声に シンヤが苦情・・・。
「それ!普通じゃないか!エロくない!」
「おまけに 耳元じゃないし・・・」
チカにまで攻められた気がした。
「りんごって、ほら アダムとイヴの・・・」
その説明で とりあえずサトコは 「なるほど」と言ってくれた。
「それを、私の耳元で言わないとね」
そういって サトコは笑いながら 俺に耳を近づけてくる。
微かだったが オレンジの匂いがした。
俺は 特に考えずに サトコの耳に唇を近づけて「りんご」と小さく呟いた。
サトコは 暫くプラスチックのコップを持ったまま考え
シンヤに近づき 耳元に何かを囁いた。
シンヤは ふむふむ と頷いてから サトコの腰周りを見て
それから チカを手招きし 耳元で囁いていく。
「・・・・・・・」
チカは あまり面白く無さそうにシンヤを見てから
肉を食べているリュウさんの耳に囁く。
「なんじゃそりゃ?」
「だめ?すぐ思いつかなくて、でも リュウさん見てたら そんな気がして」
「お!悪くないかもな!よしよし」
リュウさんは チカのポニーテールの髪を数回撫でてから リエさんの耳たぶを持って囁く。
「わ・・・・触るな!・・・・・おまけに内容もサイテイ・・・」
少しリュウさんを睨んでから
リエさんが ユウヤに近づき 囁いている。
「・・・・・・・・・ま、オッケイでしょ」
「ユウヤは優しいね」
リエさんがユウヤの頭をポンポン叩いている。
ユウヤは 少し照れながら ユキに近づき
ユキの耳元に顔を近づけようとした。
深い意味は無かったと思うが
ユキは ユウヤが囁きやすくするために肩にかかりそうな髪をそっと払い うなじを曝した。
「お!今の仕草いいな!羨まし!」
リュウさんが 口に肉を入れたまま話す・・・・。
ユウヤがユキに囁いた後 ユキは少し笑いながら俺に近づいてきた。
「一周しちゃったね 二週目 頑張ってね」
そう言ってから ユキが 俺の耳に顔を近づけてくる。
俺も 気を使い 耳を普通に差し出す。
「下着・・・・・」
ユキはそう囁いた。
俺の耳に 微かに温かい息がかかる。
ハッキリとしたオレンジの香り
サトコも ユキも オレンジの香りなのか
と、そう思いながら ユキの首筋を見つめてしまう。
俺は 少し止まってしまった。
次の言葉を考えているのもあるが
なぜか ドキドキしてしまっていた。
「アキラ?どうしたの?」
サトコが 俺の隣に来て俺の皿に椎茸を入れてくれた。
「なんでもないよ 考えてただけ・・・・じゃあ、行くよ」
俺がそういうと サトコは小さく頷き 俺に耳を差し出してくる。
近くに見えるサトコのうなじ・・・・。
タンクトップの方からチラッと出ているブラの紐。
そのタンクトップの胸元に ちらっと見える膨らみ。
「ねぇ、はやく・・・・」
サトコの声が なぜか甘く聞こえた。
前まで サトコを好きだった。
この声も好きだった。
そんなサトコの肌が 近い・・・。
俺は サトコの耳に唇を近づける ドキドキしながら・・・・。
「キス・・・・・・・・」
「え?聞こえない」
「・・・・・・キス」
「ん・・・・・・もう一回」
「・・・・・・・・・キス」
なんだ この恥ずかしさは・・・・・・。
俺は サトコの耳に できるだけ息をかけないようにしたつもりが
最後には その耳に唇が触れてしまっていた。
サトコは すっと体を放し
俺をみて笑って見せた。
「シンヤ!耳よこしなさい!」
「わ!引っ張るな!いてて」
そんなサトコ達の声を聞いたとき
チカが 俺を見ていたことに やっと気付いた。