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月蝕
【痴漢/痴女 官能小説】

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知らない場所-3-1

「思った通りです」
 思った通り何なの。思った通りに、私は香水も付けず汗臭いままの下婢な女だと言うの。それとも、最後に入ったトイレにウォシュレットがなかったから、おしっこ臭い不潔な女だとでも言うの。それがいいの。変態なの。いえ、変態なのよね。だから、私はここにいるのだから。
 私は仰向けに寝ているのにも関わらず膝を立て、それを固く閉じて何から身を守ろうと愚かな抵抗をしていた。彼はその膝を優しく伸ばし、そして、細い二本の脚の間に身体を入れて来た。
 太股を撫で、唐突に、私の足の付け根にキスをした。ピクリっと私の全身が小さく抵抗した。ところが、その後は、ゆっくりと、いえ、執拗に、まるで彼の舌と唇が私の亀裂がどこにあるのか分からずに、迷子になってしまっているかのように、その部分だけを外して、その周辺で漂っていた。そして、ようやく亀裂に彼の薄い唇が辿り着き、私が滑稽なほど安堵した次の瞬間、その唇は再び私から離れたのだった。
 彼は両手で私の亀裂を開くと、私のその部分を見つめていたのだった。
「止めて。見ないで」
 クンニされた経験など何度でもあった。その度にその部分は男性の視線に晒されていたのだろう。それなのに、どうしてだろうか、今までは、それによって、そこを見られているのだ、と、そのことで、羞恥を感じたことなどなかったのだ。ただの一度だってなかったのだ。
「貴女は全てが美しい。こんなところまでが貴女の美しさを裏切らない。美しいサーモンピンク、可愛らしいラビア。そして、小さなポッチ。上品で淫乱。まるで私を誘惑しているように見えます」
 私の小陰唇は、左右の大きさが違うのだ。おそらく、自分でするときに、左の手で開いてしまうからなのだろう。そのオナニーの癖まで、彼に見透かされてしまったような気がした。忘れていいはずの羞恥が再び私は圧迫した。しかし、今度のは先ほどまでの羞恥とは違う。逃げ出したい羞恥ではない。身体を紅潮させるところの羞恥なのだ。
 撫でられている太股に鳥肌が立っているのを感じた。まだ、何もされていない。まだ、クンニどころか、指で触れられてもいないのだ。
「愛させていただきますよ。何しろ、もう、私は貴女の虜なんですから」
 彼は、鼻を私の恥骨にあて、少し押し上げるようにした。そうすることで小さな突起の皮が上にずれあがるのだろうか。剝き出しにされ、舐められるよりは穏やかな、しかし、皮の上から舐められるよりは強い快感が私を襲った。
 私は、すぐに昇りつめそうになった。


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